今年5月、兵庫県神戸市中央区内の市道で乗用車を暴走させ、5人に重軽傷を負わせた63歳の男について神戸地検は22日、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)の罪で起訴した。てんかん発作の症状を自覚していたことを重視したという。
問題の事故は2016年5月3日午前11時5分ごろ発生している。乗用車はJR三ノ宮駅北口のロータリー(中央区布引町4丁目)を走行中に路外へ逸脱。道路左側の歩道に乗り上げ、歩行者を次々にはねながら暴走。中央区加納町4丁目付近の歩道上に設置されたオブジェの台座に衝突して停止した。この事故で歩行者5人が重軽傷を負っている。
クルマを運転していた63歳の男は意識が朦朧とした状態。聴取に対しては「事故の記憶が無い」などと供述していた。検察は刑事責任能力の有無を調べるために鑑定留置を裁判所に申請して調べを進めていたが、男は昨年8月と10月にも意識を失った状態で物損事故を起こしていたことが判明。てんかん発作の症状を有していることもわかった。
男は意識を突然失う症状があることは認識しており、服薬による治療を行っていた。検察はこの点を重視し、男が事故の危険性を認識していたものと判断。逮捕時の容疑よりも罪が重い自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)に罪状を切り替えて起訴した。