神奈川東部方面線、2022年下期の開業に…当初より3年遅れ

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相鉄・JR直通線の羽沢駅の工事現場。東海道貨物線の合流点近くに設けられる。
相鉄・JR直通線の羽沢駅の工事現場。東海道貨物線の合流点近くに設けられる。 全 4 枚 拡大写真

鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)と相模鉄道(相鉄)、東京急行電鉄(東急)の3者は8月26日、鉄道・運輸機構が整備を進めている神奈川東部方面線の開業時期が3年程度遅れ、2022年下期になる見通しと発表した。開業時期の変更は二度目。建設費も大幅に増える。

神奈川東部方面線は、東急東横線の日吉駅(横浜市港北区)からJR東海道新幹線・横浜線の新横浜駅付近、東海道本線貨物支線(羽沢線)の横浜羽沢駅付近を経て、相鉄本線の西谷駅(保土ケ谷区)までを結ぶ、約12.7kmの鉄道路線。途中に新綱島・新横浜・羽沢の各駅(いずれも仮称)が設置される。鉄道・運輸機構を整備主体として工事が進められており、完成後は相鉄と東急が営業主体として運営する。

建設区間は相鉄・東急直通線の日吉~羽沢間10.0kmと、相鉄・JR直通線の羽沢~西谷間2.7kmに分けられている。まず相鉄・JR直通線を整備し、新宿方面からJRの横須賀線、羽沢線、相鉄・JR直通線を経て相鉄線に直通する列車を運転。続いて相鉄・東急直通線を完成させ、東急線方面から相鉄・東急直通線、相鉄・JR直通線を経て相鉄線に乗り入れる列車も運転する計画だ。当初は相鉄・JR直通線が2015年4月、相鉄・東急直通線が2019年4月に開業する予定だった。

しかし、相鉄・JR直通線と羽沢線の接続部分では、列車が運行されていない短い作業時間帯で工事を行う必要があったため難航。2013年4月には、相鉄・JR直通線の開業時期を3年遅れの2018年度内に変更した。さらに、建設費も地質調査などの結果を踏まえた工事方法の変更により、相鉄・JR直通線分だけで当初より約100億円多い約782億円になった。一方、相鉄・東急直通線は従来の計画をほぼそのまま維持した。

3者の今回の発表によると、相鉄・JR直通線は「本線にかかる用地の取得が難航したことや、安全対策設備の検討に時間を要した」として、開業時期が前回の2018年度内から2019年下期へ変更となる見通しだ。前回は変更がなかった相鉄・東急直通線も「当初想定よりも地質が軟弱で補助工法が必要となった」などとし、開業時期が2019年4月から2022年下期になる見通し。全体では当初より3年以上の遅れになる。

全体の建設費も、従来の約2739億円から約4022億円へと変更される見通し。「昨今の建設需要増大等を背景とした建設物価の高騰、土壌汚染対策法の変更をはじめとする法令等の改正、地質調査の結果を踏まえた工法変更等」の影響で、工事費が5割近く膨らんだという。

《草町義和》

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