【ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ】世界トップのシートメーカー

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【ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ】世界トップのシートメーカー
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アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキー市に本社を置くジョンソンコントロールズ。同社のオートモーティブ事業が2016年秋に独立し、新社名「アディエント」としてスタートすることが発表された。

ジョンソンコントロールズは、ビルディングシステムズ、バッテリー事業、そして、シートメーカーのオートモーティブ。これら3つの事業で成り立っており、売り上げ全体の半分以上がオートモーティブである。

ジョンソンコントロールズ・オートモーティブ(以下JCA)は、世界で 7万5000人の従業員を抱え、収益は239億ドル(約2兆4000億円)。全世界に280拠点あり、シートのセット生産数は年間2200万台だ。「つまり世界の3台に1台はジョンソンコントロールズのシートが使われている」とは、ジョンソンコントロールズ・オートモーティブジャパン社長の内田博之氏の弁。日本では2000年に、日産の子会社であったシート会社の池田物産を買収し基盤を確立した。

同社の市場分析によると、「今後は、北米や日本などよりも中国市場の伸びが著しく、2020年には自動車市場全体の3割が中国製になるだろう」とし、JCAとしても、「中国に注力していく方向だが、一方で、新興国市場の伸びも見逃せないことから、この大きな2つの市場にこれまで以上に力を入れいていく」と述べる。一方、先進国市場においても「これまで通り研究開発を含め変わることはない」とした。

同社の地域別売り上げは、アメリカとヨーロッパとアジアではほぼ1/3ずつ。また、顧客もほぼ同様で、「非常に上手に経営をしているなと感じる」と内田氏。因みに日本は、「約6パーセントでほぼすべてが日産だ」という。なお、日本メーカーがアメリカで組み立てた場合には、アメリカでの売り上げであり顧客となっている。

同社の事業所展開は、「アジアでは42カ所、そのうちの 9割ぐらいは中国だ」と内田氏。ヨーロッパは210カ所、米国72カ所、アフリカに6カ所の合計230拠点で、「重要な開発センターはアメリカとドイツだ」と話す。

日本では工場は 5カ所、神奈川にテクニカルセンターがあり、横浜に本社がある。そして、滋賀にレカロ日本がある。日本での開発は主に神奈川のテクニカルセンターで行っており、「ここには衝突試験場も含まれている。韓国にもテクニカルセンターをあるが衝突試験場はないので日本を利用したり、外部に依頼したりしている」と、日本市場も重要視していることを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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