【BMW 330e 試乗】“静か”という価値こそ最大の魅力…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
BMW 330e Mスポーツ
BMW 330e Mスポーツ 全 8 枚 拡大写真

BMWの主力モデルである『3シリーズ』。使いやすいサイズ、充実した装備、高速走行での安心感、そして、なによりも人とクルマが一体となれる気持ちの良い走り。そんな3シリーズの魅力をそのままに、プラグインハイブリッドとしたのがBMW『330e』だ。

このクルマの最大の価値は “静かさ”だと思う。330eの燃費はハイブリッドJC08モード燃費17.7km/リットルと悪くはないが、同じ3シリーズにあるクリーンディーゼルは、そのさらに上をゆく21.4km/リットルを叩き出している。スポーティさでは、システム・トータル最高出力185kW(252ps)を誇る330eではあるが、低速からトルクフルなディーゼルの方がフィーリングでは有利だろう。しかし、“静かさ”では330eが勝っている。

最大航続距離35kmを可能とするEV走行時の静かさは圧倒的なまでだ。試乗で「なにかギシギシと変な音がするなあ」と思っていたら、その音源は隣を併走するトラックであった。ゆっくり加速すれば、充電が十分なときは約80km/hまでEVモードのまま走る。強い加速が欲しいときや、充電が不十分であればエンジンが始動するけれど、その音と震動は非常によく抑え込まれていた。ざらついた路面であれば、ロードノイズに隠れてしまうほどだ。

走行音が静かであれば、当然に快適性は高まる。さらに疲れも減る。プレミアという側面から見れば、“静かさ”は、3シリーズの価値をさらに高める。エコではなく、快適さにPHVを使ったのが330eであったのだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ | モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  3. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  4. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る