【ダイヤトーンを聴く】パート7…ビギナーに向けた、衝撃的な“ライト仕様”サウンド

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
アウディ・TTSクーペ by カーオーディオクラブ(大阪府)
アウディ・TTSクーペ by カーオーディオクラブ(大阪府) 全 7 枚 拡大写真

国産カーオーディオブランドの名門、「DIATONE」。そのユニットを搭載するプロショップ・デモカーや、ユーザーカーを取材して、同社製品ならではの魅力を探りながら、同時に、カーオーディオの面白さ、奥深さにも迫ろうと試みている。

連載7回目となる今回は、大阪府の人気店、“カーオーディオクラブ”を訪ね、搭載デモカーの音をじっくりと聴いてきた、その模様をリポートしていく。取材したデモカーがどんなコンセプトで作られていて、何を具現化しているものであるのかを、詳細にリポートする。

■“ライト”かつ“現実的”な仕様でありながら、最大限の高音質が目指されている。

まずは、デモカー「アウディ・TTSクーペ」に搭載されているオーディオシステムからご紹介していこう。メインユニット&コントロールユニットとして採用されているのは、『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ100PREMI』(税抜価格:24万円)だ。そして外部パワーアンプは使用せずに、同機の内蔵パワーアンプでフロントスピーカーをドライブしている。使われているフロントスピーカーは、同じく「DIATONE」の『DS-G500』(税抜価格:16万円)。そこにサブウーファーをプラス。選ばれているサブウーファーも同じく「DIATONE」で、レスポンスの良さを特長とする名機『SW-G50』(税抜価格:8万円)だ。そしてそれを駆動するパワーアンプとして、「ロックフォード フォズゲート」の『T600-2』(税抜価格:9万3000円)がチョイスされていた。

さて、このシステムがどのようなコンセプトで組まれているのかというと…。それについては、同デモカーの製作を担当した“カーオーディオクラブ”の分銅さんにお訊きした。

まずこのクルマは主に、これからカーオーディオを始めたい、と考える人に向けて作られている、とのことだ。カーオーディオ愛好家を増やすためのものとして、このデモカーは存在しているのだ。であるので、敷居が高いと感じさせないように、ミニマムなシステムレイアウトが取られている。「カーナビを換えて、さらにはスピーカーを換えただけで、こんなにも音が良くなる」ことを感じ取ってもらうためのシステムレイアウトなのである。

ただ、システムレイアウトこそライト仕様でありながらも、フロントスピーカーには、ハイエンドの入り口に立つ製品が使われている。その意味では、純然たるライト仕様とはいえない。しかしながらなぜに敢えて『DS-G500』が選ばれたのかというと、「ナビとスピーカーを換えただけ」ではありながらも、最大限、サウンドを向上させたいから、である。デモカーとしてのインパクトを重視したわけだ。

スピーカーの取り付けスタイルにおいても、敷居の高さは極力感じさせずに、しかし、プロショップのバリューは感じてもらうとするアプローチが取られている。ドアのスピーカーは内張りパネル内に収め、見た目の印象は親近感の持てるものとしながら、内部には音響的なコンディションを整えるためのメニューである、“デッドニング”がきっちりと施されている。

一方トゥイーターは、隠して付けるアプローチは取らず、音質に有利なインストール方法が選択されている。Aピラーを加工し、角度と位置の自由度を得ることが優先されているのだ。大がかりな印象が極力抑えられながらも、音に良いことは最大限取り入れられているのである。

■聴こえてくる音に、“ライト仕様”の香りは皆無…。

さて、手軽さと音へのこだわりを絶妙なところで折り合わせた当デモカーの、サウンドの実力は…。運転席に乗り込み、試聴を開始すると。

正直、その音からは“ライト仕様”という雰囲気は感じられなかった。“内蔵アンプシステム”でありながら、本格Hi-Fiサウンドが楽しめた。

まず、音の分離の良好さに驚かされた。ボーカルが中央にぐっと張り出し、その後ろでは各楽器の音が混濁することなく、それぞれの場所から聴こえてくる。その上で高域は繊細でスムーズ、低域はタイトで反応がスピーディ。そして聴き込むほどに印象に残ったのは、余韻の美しさ。音源を正確に再現することがHi-Fiだとすると、このクルマのサウンドはその方向にありながら、それにプラスして、響きの美しさも表現していたのだ。

この音を、カーオーディオ・ビギナーが聴いたなら、なかなかの衝撃を受けるのではないだろうか。ナビを換え、スピーカーを換え、そこにサブウーファーまでプラスすると、純正システムとはまったく別次元の音響空間を手にできる…。そのことを身をもって体験できるに違いない。コンセプトどおりのサウンドを聴くことができた。

ただし…。あまりに音が良すぎて、足がすくんでしまいやしないかと心配してしまうレベルだ…。それほど、純正システムとの乖離が大きかったのだ。

さすがは「DIATONE」だ。ライト仕様であっても、ばっちりと本格Hi-Fiサウンドを作り込める。

『DIATONE SOUND.NAVI』や、『DIATONEスピーカー』の音が気になっている方で、“カーオーディオクラブ”のお近くにお住まいならば、すぐにでも同店を訪ねていただきたいと思う。このデモカーの音を聴くことは、最初のカーオーディオ体験として、心に残る、有意義なものになるに違いない。

【ダイヤトーンを聴く】Part.7 ビギナーに向けた、衝撃的な“ライト仕様”サウンド…

《太田祥三》

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