【スーパーフォーミュラ 第6戦】王座争い混沌で迎えたSUGO戦、ポールポジションは関口雄飛

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2度目のポールポジションを獲得した関口雄飛。
2度目のポールポジションを獲得した関口雄飛。 全 16 枚 拡大写真

24日、スーパーフォーミュラ(SF)第6戦の公式予選が宮城県のスポーツランドSUGOで実施され、関口雄飛が第4戦以来となる2度目のポールポジションを獲得した。予選2位は中嶋一貴、3位は野尻智紀。

ここまで5大会6レースを終えて、すべてウイナーが異なる大混戦の今季SF。残すは今回を含めて2大会3レースだが、現段階では19人の参戦ドライバー全員にタイトル獲得の数字上の可能性が残されている。

ここ2大会ほどは通常と異なる要素やフォーマットの導入が続いたため、通常の1レース制大会である第6戦SUGOは、むしろ新鮮な印象で王道の戦いを楽しめる環境。予選時の天候は曇り、路面ドライでの真っ向勝負だ(開始前の路温29度)。

1周が短く、ラップタイム的には1分05秒台も出るSUGOでの予選は、速いコーナーでのアクシデント要素を含め緊張感あふれる展開となることが多いが、Q1ではピットロードでまさかのアクシデントが発生する。

#16 山本尚貴(TEAM 無限/ホンダ)と#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)がピットロード上で接触してしまったのだ。絡み合うようにして止まったマシンをチームスタッフたちが懸命に動かしたものの、この両者は結局Q1落ちを喫することになる(可夢偉15位、山本19位。山本に5グリッドダウンペナルティ)。

コース幅が狭いことで知られるSUGOはピットとピットロードも狭く、この日のQ1では他にもピットロードでペナルティが絡む接触が起きていた。こちらは比較的軽微なもので加害側に1グリッドダウンペナルティが科されているが、“被害者”は2度とも可夢偉。とにかく流れが良くない彼の今季を象徴するような出来事だった(決勝日の脇阪寿一コーチ現場復帰で流れ好転となることを期待)。

Q1では、前戦岡山のレース2で初優勝した#2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)も17位でノックアウトという波乱も生じている。さらにはQ2でも#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)が9位、#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が10位と、大物のノックアウトが相次ぐ展開に。

そしてQ3を制したのは、今季の新人で第4戦もてぎではポール・トゥ・ウインを成し遂げている#20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)だった。#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)を0.018秒差退けて、自身2度目のポール獲得である。

前日の練習走行でもトップタイムをマークしていた関口は、予選前のフリー走行を終えた時点では「もう伸びしろがないですね」と冗談まじりに言っていたのだが、チームメイトの先輩J-P. デ・オリベイラと互いの走行データを共有しつつスピードの質をさらに進化させてきた。「昨日は僕が速かったんで勉強させてあげて(笑)、そしたらJPも速くなってきて(予選前のフリー走行首位)、やっぱり『やるなあ』と。今度は僕が予選に向けて勉強させてもらいました」。

使用タイヤの状態や路面状況の違い等を考慮する必要はあるが、関口はこの短いSUGOで前日、他をコンマ5秒近くも離す1分06秒430をマークしていた。そして予選Q3では1分05秒398と、約1秒更新。一貴に0.018秒差と迫られはしたが、チームメイトと切磋琢磨しつつ初日の好調をキープして逃げ切った格好だ。今季最初の複数回ポールシッターとなった関口は、このまま決勝で今季最初の2勝目達成者となることを目指す。

予選3~8位は以下の通り。

3位 #40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)
4位 #64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING/ホンダ)
5位 #41 S. バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)
6位 #19 J-P. デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)
7位 #18 中山雄一(KCMG/トヨタ)
8位 #3 J. ロシター(KONDO RACING/トヨタ)

なお、前述の可夢偉との一件で1グリッドダウンペナルティを受けたのは、最終的に予選2位となった一貴。よって現時点では明日、野尻が2番グリッド、一貴が3番グリッドからの発進ということになる見込みだ。2列目は中嶋兄弟対決の構図になる。

そして現在ポイントリーダーの国本がポールポジションの1点を獲得できなかったこと等により、最終戦ボーナスを含む最大18点獲得可能な第7戦鈴鹿には現段階で少なくとも6人(国本、石浦、関口、ロッテラー、バンドーン、山本)がタイトル獲得権を残すことが決まった。グリッド位置的に一貴も権利維持が濃厚なので、7人以上の争いで最終戦に向かう展開になりそうだ。国本が予選17位(他車の10グリッドダウンペナルティの影響で16番グリッド発進見込み)ということを考えれば、明日の結果次第では10人規模の争いとなる可能性まで出てきた。

この混沌状態を断つような内容の勝利を誰かが挙げるのか、あるいはさらに拍車がかかる結果になるのか。チャンピオン争いの重大局面となる注目の決勝レースは250km、68周の戦い。明日(25日)の午後3時15分にフォーメーションラップスタート予定となっている。

《遠藤俊幸》

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