日立造船は、阪神高速道路、日本橋梁、ニチゾウテックとともに、阪神高速道路が開発した鋼床版の下面補強工法となる施工技術を共同開発した。
この技術を用いることにより阪神高速道路の鋼床版補修工事では車線規制が不要となる。
阪神高速道路は、車両通行部に軽量で、架設の自由度が高い鋼床版を多く採用しているが、長期間の使用により重交通条件箇所を中心に鋼材に疲労き裂が発生している。
疲労き裂は、一般的には道路上部から補修工事が必要なため、長時間の車線規制を必要とすることが課題となっていた。
阪神高速道路が開発した下面補強の工法(Uリブ溶接ビード切断工法)は、道路下部のUリブとデッキプレートの接続部を切断し、補強プレートで補強することにより疲労き裂を予防するもの。
日立造船は共同開発にあたり、切断に関する施工技術の開発を担当し、従来の手動プラズマ切断工法と比較して、切断・仕上げ作業時間を約6割削減する自動機械切断機を開発した。工法全体としては、施工時間が約2割削減されるとともに、鋼床版の補修工事の際に車線規制が不要となる。
日立造船では、今回の工法以外の補強技術でも、阪神高速道路と共同開発を進めており、今後、大規模な修繕工事への適用を目指す。