【VW パサート Rライン 試乗】大柄ボディにして痛快な走りを楽しみ尽くせる…青山尚暉

試乗記 輸入車
VWパサートヴァリアントRライン
VWパサートヴァリアントRライン 全 13 枚 拡大写真

VWの上級セダン&ステーションワゴンの8代目『パサート』に搭載されるエンジンは、これまで150psの1.4リットルダウンサイジングターボのみだった。

【画像全13枚】

ふり返れば、かつて4代目パサートには2.8リットルVR6(狭角V6エンジン)、アウディ『A4』との関係が復活した5代目は2.8リットルV6、4リットルW8、6代目は3.2リットルV6、3.6リットルVR6と、大排気量エンジンが積まれていた。

アイドリングストップやエネルギー回生システムを採用し、燃費を重視するようになった7代目ではエンジンのダウンサイジング化を敢行したものの、それでもオールトラックには2リットルターボエンジンが搭載されていた。

「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2015」受賞の8代目パサートの日本仕様をこれまでのファンが見たとき、1.4リットルターボのみのラインアップに少々不満を覚えても不思議はない。なにしろ身内のアウディ(A4)を含むドイツの同クラスには2リットル以上のエンジンが堂々と積まれているからだ。

そこで満を持して登場した「パサート2.0TSI Rライン」に搭載されたのが、『ゴルフGTI』用のハイスペックな2リットルターボ、最高出力220ps、最大トルク35.7kgm+6速DSGユニットだ。

同時にアクティブシャシーコントロールDCC、アウディA4をほうふつさせるバーチャルなデジタルメーター“Active Info Display”、そして自動駐車支援機能の“Park Assist”、ダイナミックライトアシストを含むVW最新の装備、先進安全装備オールインセーフティ機能を満載。

試乗したパサートヴァリアント2.0TSI RラインにはRライン専用の前後バンパー、サイドスカート、リヤスポイラー、19インチホイール、ナパレザーシートを含むRライン専用インテリアがおごられる。

そんなパサートヴァリアントRラインの走りは、1.4リットルターボエンジンにしてドイツ車らしいどっしり重厚かつトルキーな走りを見せる標準モデルとは別物のテイストの持ち主だった。

そう、出足から中間加速に至るまで、トルクのさらなる余裕による1.4リットルモデル比+50kg、1510kgの車重をまったく感じさせない、ステーションワゴンボディに羽が生えたかのような“軽さ”と“速さ”が際立つものなのである。

ゴルフGTI譲りのエンジンは日常域、低中回転域ではジェントルで、でしゃばらない。車内は車格にふさわしい静けさが保たれる。GTIを思わせる咆哮を味わえるのはエンジンを5000回転以上回してからである。

19インチという大径タイヤを履いていても、乗り心地はキツイ段差越えでの突き上げは別にして、一般的な路面であればすこぶる快適。基本的にフラットで想定外の軽やかさに驚かされる。走りの高級感=重厚感と解釈しているなら拍子抜けするほどだろう。

とはいえその“軽さ”は飛ばすほどにいい方向に作用する。フットワークのひらりひらりとした軽やかさ、キビキビした身のこなしは気持ち良さ満点。気分はGTIである。もちろん安定感は最新のVWファミリーの例にならって鉄壁。大柄なボディにして痛快な走りを楽しみ尽くせるというわけだ。

ちなみにJC08モード燃費は1.4リットルモデルの20.4km/リットルに対して15.0km/リットルになる。

そうそう、オプションのテクノロジーパッケージに含まれるバーチャルなデジタルメーター“Active Info Display”は速度、回転計のサイズを大小変えられ、その間にナビの地図画面表示もできるのだが、VW純正のナビとは連動せず、縮尺も100m程度に固定されるのが惜しまれる。

価格は試乗したヴァリアント2.0TSI Rラインで519万9000円(ナビゲーション込み)。さすがに1.4リットルターボエンジンを積むコンフォートラインの378万9900円、お薦めのハイライン433万9900円(いずれもヴァリアント)とくらべると、これまでのドイツ製ライバルに対する圧倒的な割安感は薄れる。個人的にはエンジン排気量の数字にこだわらなければ、燃費性能に優れ、動力性能的にも十二分なハイラインで満足できると思っている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。

《青山尚暉》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 150万DLでも終了へ…パイオニア「COCCHi」が約3年で幕を閉じる本当の背景
  2. 次期スズキ『ソリオ』は“走り”で逆襲! 新世代HEV採用で2027年以降登場か?
  3. 【マツダ CX-80 900km試乗】人馬一体と重厚感は両立するのか?「高級SUV」としての使命とは[後編]
  4. ドア&エアコン付きゴルフカート、国内初の100台規模導入…アコーディア・ゴルフとPGM
  5. ヤマハモーターエンジニアリング、保育現場の負担を軽減する「電動アシストお散歩カー」開発、9月受注開始へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. KYB、パワースポーツ車両向けEPSを米ポラリス社のオフロードビークルに展開
  3. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  4. 中国サプライヤーが日本市場へ本格攻勢、“長期戦略”と“チャイナスピード”両立する「DESAY SV」次の一手とは
  5. トヨタ・モビリティ基金、欧州水素地域イニシアチブ始動…最大5地域を支援
ランキングをもっと見る