札幌市は11月9日、軌道法に基づき市電の運賃の変更を国土交通大臣に申請した。認可された場合、市電の運賃は30円値上げされる。
札幌市が国交相に提出した申請書によると、普通旅客運賃(大人)は現在の170円より30円高い200円均一に。定期旅客運賃は1カ月の場合、通勤定期が普通旅客運賃(大人)を60倍した額の3割3分引きで、10円未満は四捨五入する。これにより現在の7550円より490円高い8040円になる。
札幌市電は一条線・山鼻西線・山鼻線・都心線で構成される、計8.9kmの路面電車の路線。2013年5月に超低床式のA1200形電車「ポラリス」を導入し、2015年12月には都心線の開業により市電の環状化が図られている。市電の運賃は1992年4月以降、消費税率の引き上げに伴うものを除き、本格的な改定が行われていない。
札幌市が申請書で示したところによると、サービス水準を維持するための費用の増加や、車両の老朽化対策などにかかる費用の増加が見込まれ、現在の運賃のままでは収支の改善を図るのが難しい状況。経営安定化や利便性の維持・向上を図るためには「運賃として利用者の方々にご負担いただくことが必要」とし、今回の申請に至ったとしている。