【アウディ Q7 試乗】“見えること”は、こんなにも不安を解消してくれるのか…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
アウディ Q7
アウディ Q7 全 12 枚 拡大写真
『Q7』の存在感を前にすると、乗り込む前には小さな決意が必要になる。正直なところ、いやだというネガティブな気持ちが先に立つ。日本でこの大きさは必要なのかとか、よほど好きな人じゃないと乗らないよねとか、心のなかではネガティブな気持ちが渦を巻く。

ただでさえ車両重量が2トンあり、試乗したクルマは7人乗りとあれば、全員乗車したときの総重量たるやそうとうなもの。2リットルエンジンで大丈夫なのか、ふう、と、ため息さえ出る始末。しかし、それらは走り出したとたんすべて杞憂であることがわかる。

まず、走りが軽い。とにかく軽い。ぐいぐいというより、ひゅんひゅん。そりゃ確かに試乗は一人で乗っていたけれど、この軽やかさなら7人乗車しても十分にいける。4WDの安定感、8速ATの滑らかさにも恐れ入るばかりである。

そして、大きさという魔物に凹む気分を一掃してくれるのがアラウンドビューモニターだ。車両を俯瞰で見るこの機能のほかに、バックビューモニターと、車両の前が見えるフロントビューモニターなど、いわゆる不安な「見えない部分」が、すべてつぶさにカーナビ画面に映し出される。

ああ、前が…とか、この細い道はあとどのくらい左に寄っても大丈夫なの…とか、心臓ばくばくのシーンが、すべて楽々シーンへと変わってしまう。見えることは、こんなにも不安を解消してくれるのかと、びっくりである。これなら大きなボディもどんとこいだ。しかも、俯瞰で見えるアラウンドビューモニターは、ドアが半ドアになっていると映しだされない安全設計まで仕込んである。

数々の自動運転機能へとつながる安全運転支援システムがあるけれど、これからはドライバーにどう使わせるかという視点がもっとも重要になってくる。Q7に乗りながら、ドイツ勢の自動車文化の奥深さをかみ締めるばかりである。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『IS』改良新型、表情一新…2026年発売へ
  2. ルノー『ルーテシア』新型、新デザインで大胆チェンジ…IAAモビリティ2025
  3. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  4. フェラーリ『テスタロッサ』復活、新世代電動スーパーカーは1050馬力
  5. ヤマハが新型“3輪スクーター”発売!『トリシティ』125ccと155ccが大胆イメチェン、大型ディスプレイも
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る