【マツダ ロードスターRF 試乗】クーペそのものの乗り味も味わえる…諸星陽一

試乗記 国産車
【マツダ ロードスターRF 試乗】クーペそのものの乗り味も味わえる…諸星陽一
【マツダ ロードスターRF 試乗】クーペそのものの乗り味も味わえる…諸星陽一 全 8 枚 拡大写真

マツダ『ロードスター』のラインアップに電動ハードトップを備えた「RF」(リトラクタブルファストバック)が追加された。

リトラクタブルファストバックの名が示すとおり、ロードスターRFはソフトトップ仕様とは異なるカッチリしたスタイリングで独特の魅力を放っていた。試乗グレードはもっともスポーティなRSでミッションは6MT。ボディカラーは最近追加された新色のマシーングレーメタリックで、よりリトラクタブルファストバックのスタイリングが際立っていた。

ハードトップの開閉は12~13秒程度で完了する。操作はインパネ中央の下よりにあるスイッチを上下させるだけ。ルーフのロックを外すという行為も不要だ。10km/hまでなら走行中でも開閉が可能だということで、クルマをゆっくりと発進させながらルーフをオープンした。オープンカーは走りながらルーフを開けた方が絶対にカッコイイ。スイッチは押し続けないとならないので、本当にゆっくりと走りながらの操作。かなり空いている道じゃないと、この快感は味わえない。

ルーフが全開になったところで、アクセルも全開…といきたいところだが、都内一般道の試乗なので自制心を働かせたアクセルワークでクルマを進める。ソフトトップのロードスターが1.5リットルエンジンを搭載するのに対し、RFに搭載されるエンジンは2リットル。最高出力&最大トルクは158馬力/200Nmで、1.5リットルに比べて27馬力/50Nmほどスペックアップされている。

普通はエンジンの排気量を増やすとギヤを低く(重く)して、燃費や快適性を向上するものだが、ロードスターRFはそれを拒否した。ミッションは1.5リットルと同じで軽々とつながりのいいセッティングのまま。1.5リットルと同じくリズムに乗った走りが可能で、コーナーに向かってシフトダウンしていくのが楽しい。

そしてコーナーだ。RFは1.5リットルよりも1サイズ太い205/45R17サイズのブリヂストン・ポテンザS001を履く。加えてRSグレードはビルシュタインダンパーが組み合わされるのでコーナリングの安定感はバツグンにいい。ボディ剛性もソフトトップモデルより向上されているようで、ステアリング操作に対するクルマの動きの正確さは高い。

ルーフを閉めて走った際の快適性はよく、クーペそのものの乗り味を味わえる。とくに風切り音はよく抑えられていて、ソフトトップのロードスターとは一線を画す静粛性を実現している。55×40×25cmサイズのバッグを2個搭載できる容量のトランクも備え、ハードトップタイプのオープンルーフを持つ2ドアモデルとしてはかなり高い実用性を誇ると言える。

ただし、価格はソフトトップモデルと比べるとグッとアップ。RFは324万円~373万6800円の価格帯で、250万円を切る価格設定のあるソフトトップモデルと比べるとかなり上級のイメージとなる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】スライドドア採用にカスタム廃止、大胆進化のムーヴ「四角く見せたくなかった」動きのデザインとは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る