【ホンダ フリード 新型】『ホンダ センシング』搭載はミニバンとしての魅力がアップ

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『ホンダ センシング』を搭載した新型フリードHYBRID G・Honda SENSING
『ホンダ センシング』を搭載した新型フリードHYBRID G・Honda SENSING 全 13 枚 拡大写真

ホンダ『フリード』が生み出した3列シートミニバンは、今や国内市場で重要な車種。そんな中、新型フリードには、今までこのクラスにはなかった魅力的な機能が装備された。それがミリ波レーダー+単眼カメラを使う『ホンダ センシング』だ。

この機能は、これまでホンダ車のミドルクラス以上の車種に搭載されてきた“セーフティパッケージ”だ。衝突被害軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)など全8種類の安全装備ががセットされる。これだけの機能がフリードクラスに搭載されるのは初のことで、中でもありがたい装備となりそうなのがACCの装備だ。この機能は上級車に搭載されていることが多く、たとえばライバルのトヨタ『シエンタ』に搭載されている『セーフティセンスC』もACCは含まれていない。

唯一このクラスでACCを搭載しているのはスズキ『バレーノ』で、ミリ波レーダーで対応した。しかし、カメラを搭載していないために衝突被害軽減ブレーキで歩行者を検出できない、車線認識ができないなどの弱点もある。その意味で、新型フリードに搭載された『ホンダ センシング』はこのクラスでは一歩先を行く装備となったと言えるだろう。

新型フリードを試乗する際、さっそくACCを試してみた。ステアリング右側にある「MAIN」スイッチを押すとレディ状態となり、走行中に「SET」を押すとその速度で低速走行が始まる。速度のアップ/ダウンは「+/-」を押すことで可能となる。ここまでは一般的なクルーズコントロールと同じだ。

違うのは前走車をレーダーが捉えたとき。メーター内にはそれを知らせる表示が行われ、システムは前走車に追従する形で速度を調整し始める。設定した速度よりも前走車が遅ければ自動的に速度を下げていき、仮に前走車が減速すればそれに応じ、必要ならブレーキもかける。前走車との車間距離は4段階から選べる。同一車線内での対応とはいえ、この状態で走る限り、“半自動運転”で走っているようなもの。他の搭載車で感じられた追従時のギクシャク感もかなり低減されたようだ。特に長距離に渡って移動するときなどに使えば疲労軽減につながるのは間違いない。

また、『ホンダ センシング』の運転支援で重宝しそうなのが車線関連の支援機能。車線の中央を走れるようステアリングを制御する「車線維持支援システム(LKAS)」や、車線からはみ出そうとすると警告表示と共にステアリングに振動を与える「路外逸脱抑制機能」を搭載する。制御自体も自然なもので使っていて違和感はそれほど感じない。もちろんウインカー使用時はこの機能が働かなくなる。

ただ、フリードが搭載した『ホンダ センシング』では注意点が一つある。ACCには動作範囲があり、約30~約100km/hでのみ作動するのだ。そのため、30km/h以下になるACCはアラームと共に自動解除され、渋滞のような低速走行ではこの機能が使えなくなってしまう。少し前のACCならともかく、渋滞追従があまり前になりつつある現状では物足りない。

これについて四輪R&Dセンターの井沢久弥氏は「渋滞追従の機能を実現するには停止した際のブレーキ制御も必要となり、現状では電動パーキングブレーキを搭載する上級車のみが対象となってしまってます」との回答。今後の対応については「渋滞追従がこれほど普及するのは想定外だったが、今後数年のうちには対応できるようになるはず」とのことだった。

現状、衝突被害軽減ブレーキに比べてACCの経験者はそれほど多くなく、その機能の有用性を理解されていないとも聞く。しかし、一度この機能を体験すれば二度と手放せなくなることは間違いない。それは新型フリードの発売直後のデータでも明らかだ。なんと契約者全体の82%が『ホンダ センシング』搭載車を選んだという。家族で出掛ける機会が多くなるミニバンである新型フリードにとって『ホンダ センシング』の搭載は強力な武器となっているようだ。

《会田肇》

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