宮島口の新フェリーのりば「大桟橋」供用開始…渋滞解消、広電の電停移設構想も

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広電宮島口電停前の踏切付近にできるバス渋滞
広電宮島口電停前の踏切付近にできるバス渋滞 全 16 枚 拡大写真

JR山陽線、広電宮島線、JR西日本宮島フェリー、宮島松大汽船、国道2号…。世界遺産・嚴島神社への本土側ターミナルで、鉄道・船・自動車の結節点として混み合う宮島口に、新たなプラットホームが誕生した。その名も「大桟橋」。12月5日に供用を開始した。

この大桟橋は、広島県や廿日市市などが実施する厳島港宮島口地区港湾整備事業(2013~2019年度)の一環。これまで150メートルほど離れていたJRと宮島松大の両フェリーのりばを中央に集約するかたちで、新たな浮桟橋(のりば)を設けた。本土側とは4本の連絡橋(ブリッジ)でつながり、中央2本が歩行者、外側2本が自動車の乗降用として使われる。

旅客ターミナル新設、旧船のりば撤去

明治30年に本土と宮島を結ぶ定期航路が就航し、本土側のターミナルとして発展した宮島口。近年は、観光客増加やマイカー普及などで、待合スペースや駐車場の混雑、国道2号の渋滞などが目立っていた。

厳島港宮島口地区港湾整備事業では、JR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船の船のりばの間にある海岸を埋め立て、新たに2階建ての旅客ターミナルや大桟橋を新設。1~3区に工事区域をわけ、12月5日に大桟橋供用開始にこぎつけた。広島県は「今後、新たな旅客ターミナルや緑地整備をすすめる。12月4日まで使っていたJR・松大ののりばはいずれ撤去する」と話していた。

また、この新設工事で使われるケーソンなどは、“初代広島空港”の広島西飛行場のヤードでつくられた。太田川河口に位置する同飛行場は、広島高速3号線観音出入口付近から海側を眺めると見えてくる。

宮島口名物!? 広電渋滞はまだ残る

JR・広電の駅が独立してある宮島口。両駅の間には国道2号が走り、この付近はマイカーや観光・路線バスなどで混雑する。ハイシーズンには名物となる“広電渋滞”も発生する。

広電渋滞は、広島市街方から国道2号を行く大型バスが、広電宮島口電停の手前にある“開かずの踏切”をわたり、海側の大駐車場へと向かうさいにできる。地元警察は「駐車場へ入るための左折レーンを10年ぐらい前に設けたけど、バスがダーッと連なると、直進線まで埋めてしまう」という。

広電宮島口電停の移設計画もある

世界遺産・嚴島神社への本土側ターミナル・宮島口は、新たな埋立地に旅客ターミナル、大桟橋、緑地エリアを設けるだけで終わらない気配。廿日市市が描く「宮島口地区まちづくりグランドデザイン」には、広電宮島口電停を、さらに海側に近づけるように移設するプランが描かれている。その移設候補地は、現在の松大フェリーのりばや大駐車場にちかい位置にある。

この移設構想図に描かれている広電の線路は、競艇場前電停からさらに海側へカーブ、海側に新設した駅舎に電車が発着するイメージ。現在の大駐車場付近に「広電駐車場」「広電宮島口駅」が出現し、「広電ガーデン」エリアをつくるというねらいだ。

《レスポンス編集部》

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