高千穂あまてらす鉄道が新型車両を導入、12月23日の運行開始を目指す
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スーパーカートは軽トラックを改造した18人乗りで旧高千穂駅から高千穂鉄橋までの往復約5kmを走行しているが、繁忙時には客を載せきれないことがあり、故障も度々あった。今回の新車両導入は、これらを解消することにある。
新車両は徳島県吉野川市のメーカー「朝日テック」が製造、設置した。屋根のない30人乗りの客車と、前後につなぐ動力車2両合わせて長さ15m、重さは約9t。動力車は、トヨタ製の、フォークリフトや空港で手荷物などを運ぶトーイングトラクターがベースで、水冷直列4気筒2.5リットル・ディーゼルエンジンを搭載する。同社の佐原圭一社長は「耐久性のある産業用のエンジンですから信頼性は抜群。低速トルクがあるのでこうした運用には向いている」と太鼓判を押す。
あま鉄の一番の楽しさは、全長352m、水面からの高さ105mという高千穂鉄橋上からの眺め。新車両の重量増に対応するために12日からはこの鉄橋の枕木交換も始まった。まだ真っ白なボディは旧高千穂鉄道の懐かしいデザインを再現することになっているという。
高山文彦社長は、「ディーゼルやレールの継ぎ目の音が本格的な列車を感じさせます。最初は木製のトロッコを人力で押していたのが、今は奇跡のようです。これまで満車でお断りしていたお客さまにもお乗りいただけるでしょう。高千穂峡のボートと一緒に、高千穂の体験型観光のひとつとして大勢の人に来ていただきたい」と期待を込めている。
《嶽宮 三郎》