【ダンロップ DIREZZA Z III 試乗】走り出してすぐにグリップ、“タイムを出せるタイヤ”を実感

試乗記 国産車
ダンロップ DIREZZA Z III
ダンロップ DIREZZA Z III 全 11 枚 拡大写真

フルモデルチェンジし『DIREZZA Z II』から『DIREZZA Z III』となったダンロップのハイグリップスポーツタイヤの試乗会が行われた。試乗会場として選ばれたのは茨城県の筑波サーキットのコース1000。およそ1kmの距離を持つミニサーキットだ。

用意された試乗車はトヨタ『86』とスバル『WRX STI』。私に与えられたのは86のほうだった。装着タイヤのサイズは215/45R17。

まずは「DIREZZA Z II」に乗ってコースを周回。そのままピットインして「DIREZZA Z III」に交換して乗るという方式で試乗が行われた。つまり、クルマ側はまったく同条件での試乗で、違いはブレーキの減り程度ということになる。

「DIREZZA Z II」では1周程度走らないといい感じにグリップしなかったが、「DIREZZA Z III」では1コーナーを曲がった程度でしっかりと熱が入りグリップ感が上がる。“タイムを出せるタイヤ”として売り出す「DIREZZA Z III」らしい特性で、なかなか好感が持てる。

じつは今回の試乗ではちょっとしたミスを犯してしまった。それはVSCをオフにせずに「DIREZZA Z II」で走り出してしまったこと。一旦停止しないとこの解除はできないが、時間的に一旦停止は難しい。今回はVSCオンのままで試乗することにした。どこでVSCの制御が始まるかを頭に入れながら試乗していき、それを「DIREZZA Z III」と比較すると、VSC介入ポイントが「DIREZZA Z III」のほうが明かにコーナーの奥となっていることが確認できた。つまり、限界性能が向上していることにほかならない。

ステアリング中立状態でのしっかり感もある。トレッドセンター部分のリブがワイド化されている効果だろう。またその状態からの切りはじめのレスポンスもいい。Sタイヤほど敏感ではないが、標準タイヤとは明かに違う機敏さはスポーツタイヤらしさを感じられる部分だ。

ブレーキのフィーリングもよかった。1コーナー手前のシケインに向かってのフルブレーキングでもしっかりとしたフィーリング。ブレーキによる不安などは感じない。

サーキットでの試乗のため耐久性についてはチェックできていないが、従来モデルである「DIREZZA Z II」はタイヤが減っても性能を高いレベルで維持するタイヤとしてコストパフォーマンスの高さが評価されている。新型の「DIREZZA Z III」もほぼ同じ価格で販売され、耐久性も引き継いでいるとのことなので、従来モデルユーザーはもとより、“減っても使えるタイヤ”を求めている方にもぴったりのモデルとなることだろう。

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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