マツダの教習車や福祉車両の開発を行うマツダ E&T(Engineering & Technology)は、『CX-5 ポップ・アップ・ルーフ・コンセプト』を展示している。
同車はコンセプトカーで、実際の市場投入は一年後のリリースを目指して検討中だと担当者は話す。また、今回展示されていたCX-5は今月販売が開始された「KF」型ではなく1世代前の「KE」型である。この商品は「中古車ベース」で、改造を施し販売する予定なのだ。
ポップ・アップ・ルーフといえば通常ミニバンのような天井部分が広い車両に搭載されるのが一般的。これはポップ・アップ・ルーフの室内が、一般的な成人男性が寝ることができる全長180cm以上ないと商品性を欠くからだ。だが、今回登場したCX-5(KE型)のルーフにそこまでの長さはない。そのため既存の設計で ポップ・アップ・ルーフを取り付けても室内長は140cmほどしか確保できずこれでは商品にならない。
そこで今回E&Tが出した答えは、ポップアップした部分の床を前方に出っ張らせ、全長を確保することだった。これによりSUVの狭いルーフの上に、大人が横たわれる全長180cmの空間を作ることができた。
写真をみてもらうとわかるかもしれないが、コンセプトと言う割には、だいぶ完成度が高い。もうこのまま市販化しても良いのではないかと問うと担当者は「通常であればそうかもしれないがマツダE&Tとしては出せない」とこだわりを見せた。また「増加する重さや高さで運転感や実用性、デザインが損なわれてはいけない」ともいう。実際ルーフを閉じた動画も公開されていたが、遜色ない様に見えた。
まさにマツダ直下の「E&Tクオリティ」といえる出展だ。本商品の市販化に期待がかかる。