なぜマツダが「ドラポジ」と「ペダルレイアウト」にこだわるのか

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マツダがメディア向けに開催した雪上試乗会の様子。「人間中心」のクルマ作りは雪上でも体感できるのか
マツダがメディア向けに開催した雪上試乗会の様子。「人間中心」のクルマ作りは雪上でも体感できるのか 全 16 枚 拡大写真

マツダは恒例となるメディア向け雪上試乗会を北海道にある同社の「剣淵試験場」で開催した。ここは試験場ではあるが、雪の降らない季節は町営道路として一部が使われるという珍しい環境。過去の開催では一般道試乗も行われたが、今回はより効果を体感してもらうために試験場内のみの開催となった。

【画像全16枚】

現在マツダが新世代商品群に展開している四輪駆動システムは「i-ACTIV AWD」と呼ばれているが、今回の試乗会ではこのシステムの前に同社が啓蒙活動を行っている「人間中心」という考え方に基づき試乗だけでなく、座学も含め、広範囲に安全技術に対する考え方を理解してもらおうという狙いがある。

まずは人間がちゃんと運転できる、ということ

まず前半では「性能別ワークショップ」として3つの説明会が設けられた。最初は「走り・止まる」についてだが、マツダによれば「雪上という環境下において、どれ位滑り易いかという感覚が運転操作に反映され、滑らない範囲をドライバーがコントロールできていることが重要である」というテーマでスタートした。

やや回りくどい表現だが、要は昨今装着されているABSやDSCといった安全装備は“人の失敗をカバーしてくれる”という捉え方で、そもそもその前に限界をドライバーに気づかせ、その範囲内でクルマを操れることが「人間中心」の在るべき姿の一つと考えているそうだ。

もう一段簡単に言えば「滑る」という感覚を事前に察知できれば、人はおのずと滑らない運転を行えるわけで、その前までのペダル操作や加減速の関係をドライバーが把握し、ペダル操作がしやすいことが重要となってくる。

雪道ではペダルを踏む「踏力」の使用範囲が非常に狭く、その範囲内できめ細かな操作が要求される。そのためにマツダが行ってきたのが「ドライビングポジション」と「ペダルレイアウト」の最適化であることは、新世代商品群の中でも何度も語られてきたことである。

ドライビングポジョションとペダルレイアウト

今回の試乗会ではまずAWD車ではなくFF車を使い、あえてスリップしやすい状況下でのアクセル&ブレーキ操作を体感してもらおうという、ある意味ハードルが高く、まるでこちらが試されている(?)ような試乗メニューが用意されていた。

メニューとしてはまず先導車に追従し、ABSやTCSを作動させずにブレーキ&アクセル操作を行うことで座学で説明を受けた操作範囲の狭さを体感し、より丁寧な操作を学べるという内容であった。

実際、舗装路などで行っているペダル操作の感覚ではすぐにシステムは作動する。要はいかに普段、雑な操作をしているかが同乗してくれたマツダのエンジニアにもバレて(!?)しまうし、同時に自分の運転技量の低さも身をもって味わうことになる。

またユニークと感じたのは、用意してくれたスノーブーツを履いて同じテストコースを走ったこと。当然のことながら自分の履いている靴とは感覚が異なる。降雪エリアに住んでいる人ならば普通のことかもしれないが、普段雪に慣れていない自分も含めて、ペダルの操作は当然ラフになりがちだ。しかし、ここで感じたことはスノーブーツのような大きさでもアクセルのコントロールやブレーキ時の足の踏み替えなどが見た目以上に楽だという点。スノーブーツを使ったのも体格が変わってもペダルの操作力が出しやすいということを体感してもらうのが狙いだったことは試乗した後に「なるほど」と思ったほど。適切なドライビングポジションはもちろんだが、マツダがこだわっている操作のしやすいペダルレイアウトは結果として安全性に繋がることも理解できた。

(後編へ続く)

《高山 正寛》

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