【新聞ウォッチ】日産、17年ぶり社長交代の謎、「若返り」先送り、「お披露目会見」も見送り

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日産自動車のゴーン現CEO兼現社長
日産自動車のゴーン現CEO兼現社長 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年2月24日付

●信号機LEDで小型化、明るさそのままコスト減(読売・1面)

●ゴーン氏IT連携指揮へ、日産社長退任、会長に専念(読売・1面)

●つながる圏央道、物流商機拡大(読売・11面)

●オペルの買収PSA「好機」(朝日・11面)

●レクサスV6、トヨタ、ホンダ以外の日本勢苦戦、17年米自動車耐久品質(日経・7面)

●日産、株価は反落、三菱自、4営業日続伸(産経・11面)

●飲酒運転死亡率,他事故の8倍超、昨年(産経・30面)

●美しい日本走るホテル、JR西日本、豪華寝台「瑞風」を公開(日経・13面)

●パーク24、経営減益、駐車場など、本業は好調(日経・15面)

●タカタ、航空部品事業、売却益50億円(日経・15面)

●マツダ17万台リコール、CX-5など(日経・42面)

ひとくちコメント

経営者の中でも無類の奇人・変人・偉人と言われているが、社長交代の発表スタイルも実に不思議であり、てんやわんやのメディアも少なくなかったようだ。

日産自動車のカルロス・ゴーン氏が4月1日付で約17年間続けていた社長と最高経営責任者(CEO)から退任するとのリリースが流れたのは2月23日午前8時過ぎ。即刻、ネット媒体などは速報し、各紙も夕刊で報じた。

例えば、同日の読売夕刊は1面トップで「日産ゴーン社長退任、グループ経営専念」と大きく取り上げた。1月に「私の履歴書」を連載していた日経も1面トップで報じたが、各紙との違いはゴーン氏が単独インタビューに応じ、その一問一答も掲載した。

もっとも、異例だったのは記者会見が予定されていなかったこともあり、メディアは困惑。「役員体制の変更について」という1000字ほどの1枚のリリースに記載されたコメントを引用、日経を除くきょうの各紙は、社長交代の解説記事を伝えるほかになかったとみられる。

このため、読売は「ゴーン氏悲願『1000万台』、次世代カー開発加速」とのタイトルで、日産・ルノー・三菱自動車の会長として「提携戦略に専念する考えだ」と取り上げた。

朝日も「ゴーン氏グループ統括」との見出しで同様の解説。「日産への影響力も従来通りとの見方が強い」として「これまで何か変わることはない」との日産幹部の話を紹介している。

また、毎日と産経は、その日の株価に注目。日産の株価は「前日比6円50銭安の1112円00銭と反落して終えた一方、日産が34%出資する三菱自動車の株価は4営業日続伸した」と報じた。 

この日は円相場がやや円高ドル安に振れたことが重なり自動車株は軒並み下落したこともあるが、後継社長にゴーン氏よりも半年余り年上の西川廣人副会長を選んだことから「若返り」のサプライズ人事でもなく、投資家にとっては「期待外れ」のようだった。

ゴーン氏が後継者に選んだその西川氏だが、日経を除くと、各紙ともわずか数行で経歴を紹介しただけの記事である。日経の人物コラム「けいざいじん」でも「『裏方』満を持して登板」とのタイトルで「謙虚な姿勢を貫くが、もう『裏方』ではいられない」と取り上げている。

「日本的経営」を学んだというゴーン氏だが、一世一代の晴れ舞台である社長交代の記者会見を見送ったことも、シャイな性格の新CEOに対する“気配り”なのかもわかず、現時点では謎の多い交代劇である。

《福田俊之》

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