IT・モバイル業界の未来を占うヨーロッパ最大のイベント、「Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス、通称MWC)」がスペイン現地時間の2月27日から3月2日まで開催された。
エリクソン社長兼CEOであるビョルイェ・エコーム氏は2月27日、同日発表したコネクテッドカー向けのサービスプラットフォーム「Connected Vehicle Marketplace(コネクテッド・ヴィークル・マーケットプレイス)」の最初の顧客がスカニアであると発表した。
そしてスカニアCEOのヘンリック・ヘンリクソン氏より、今回のコネクテッドカー向けのサービスは「Scania One(スカニア・ワン)」という名称であると発表された。
スカニアはスウェーデンに本社を構え、トラックやバスなどの商用車を書力商品とする重工業会社である。同社は2011年からインターネットに接続可能なトラックやバスなどの商用車を市場に投入している。現在25万台のスカニアのコネクテッドカーが世界中で走っており、これは同社が過去5年間に販売したすべての車両の3分の2以上に相当するとう。
「Scania One」場合、エリクソンの「Connected Vehicle Cloud(コネクテッド・ヴィークル・クラウド)」を通じて、スカニアのコネクテッドカーから600もの車両データを取得し、そのデータを元にフリート車両を保有する顧客やドライバーに各種サービス提供を行う。なお「Scania One」はフォルクスワーゲン・トラック&バスのサービスプラットフォームとの互換性があり、追加機能やサービスに対応する柔軟性と拡張性も兼ね備える。
エリクソンは今後こういったコネクテッドカー向けのサービスをスカニアのような商用車だけでなく乗用車にも展開していく方針で、「次はアジアの乗用車メーカーと、今回のような発表ができると思う」と、エリクソン オートモーティブ部門のマグナス・グンナーソン氏は語る。
今後コネクテッドカー向けにサービス提供を行うプラットフォーマーやサービサーが増加し、コネクテッドカー市場が盛り上がるだけでなく、その先にある自動運転の実現に向けた動きも加速しそうで、非常に興味深く目が離せない領域なのではないかと思う。