西武・東京メトロ・東急・横浜高速を直通する有料座席指定列車「S-TRAIN」の運行開始を3週間後にひかえた3月5日、中目黒・祐天寺のまわりを歩くと、メトロ日比谷線13000系の準備、西武40000系の試運転、祐天寺駅の通過線などが見えた。
東横線と日比谷線の4線、2面のホームを持つ中目黒駅では、西武の新型車両と日比谷線7両かに向けた準備が見えた。18メートル3ドア車8両編成が走る日比谷線では、メトロ・東武の20メートル4ドア車7両編成の新型が3月に登場。3ドアと4ドアが混在することになる日比谷線の3番ホームは、ドア位置の案内でにぎやかに。7両と8両の停止位置標識も見えた。
この日は西武40000系が副都心線や東横線で試運転する姿もあった。ロングシート状態で、車両整備員などを乗せた西武40000系は、13時50分ごろ、中目黒駅1番ホームにつけ、30秒ほど停車したのち再び横浜へ向けて発つ。S-TRAIN試運転列車が25パーミルから35パーミルの勾配を駆け上がると、祐天寺駅。
祐天寺駅では、S-TRAIN運行開始・東急線内ダイヤ改正にあわせた通過線が姿を現していた。通過線は、すでに上下本線の線路とつながっているが、レールの表面は錆びついている。まだこの通過線の上を列車は走っていないか。
祐天寺通過線は、上り方向(渋谷行き)が直線進路、下り方向(横浜行き)が分岐進路をとる。東急は、「祐天寺駅通過線の新設にともない、朝ラッシュピーク前後の通勤特急・急行列車の速達性を向上するとともに、オフピーク通勤・通学を推進」「横浜→渋谷間 通勤特急 最大3分短縮」と伝えている。
祐天寺駅では、休日の日中、比較的本数が少ない時間帯でも、各駅停車の後ろをのろのろ追いかける「Fライナー」の姿があった。
8両編成の電車がとまる祐天寺駅では、駅の設備も更新・新設がすすむ。渋谷寄りは、2両ぶんのホーム延伸が見えた。いまは鉄柵で利用者が立ち入れないが、いずれは10両編成がとまるようになるか。また、黒いビニールに包まれた出発反応標識や編成両数別停止位置などもあった。2017年6月には、可動式ホーム柵が稼働する予定。
祐天寺駅の2015年度乗降人員は、定期1万4241人、定期外1万5871人、合計3万112人。代官山駅(3万2420人)などと同じく、定期外が定期を上回る駅、祐天寺。1700年代創建といわれる祐天寺の最寄り駅は、駅ビルの解体工事も始まり、大きく変わる。