【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】レッドブルのガスリーら“新鮮力”の外国人選手3名が本格始動

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左からマーデンボロー、ガスリー、ローゼンクヴィスト。
左からマーデンボロー、ガスリー、ローゼンクヴィスト。 全 8 枚 拡大写真

6日、鈴鹿サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の今季第1回公式合同テストが始まった。異色の経歴を有するといっていい3人の外国人ルーキーも、SFでの本格始動を迎えている。

前日まで行なわれていた鈴鹿ファン感謝デーでもSFの公開テストセッションやデモレース(第0戦)が実施されており、それから引き続きのかたちで始まった2日間の公式合同テスト。活発だったストーブリーグが3月に入ったところで決着したことも受け、いよいよここから本格的な実戦モードに突入だ。

今年のSFは全19人の参戦選手中、5人が新人。そのうちのふたり、15年全日本F3チャンピオンで昨季からSUPER GT/GT500クラスで活躍しているニック・キャシディと、16年全日本F3チャンピオンの山下健太、KONDO Racing入りした彼らは、いわば正統派のステップアッパーである。その一方、残る3人の新人のキャリアは異色といっていい。

まずはフランス出身21歳のピエール・ガスリー(#15 TEAM MUGEN/エンジンはホンダ)。彼は昨年のGP2チャンピオンであり、F1レッドブルのジュニアドライバーでもあるのだから、本来ならスンナリF1に行ってもいい存在だ。しかし、シートに空きがないこと等から、SFで勉強しつつ、さらなるキャリアアップを図ることとなった。前年GP2王者のSF参戦は昨季のS.バンドーンに連続してのかたちで、今後も続く可能性はあるが、本来的な意味ではやはり異例である。

今ストーブリーグの最後にSF参戦シートを射止めたのが、F3世界一決定戦であるマカオGPを14、15年と2年連続で制した経歴をもつスウェーデン出身の25歳、フェリックス・ローゼンクヴィスト(#7 SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)。既にフォーミュラEというトップシリーズに参戦している彼だが、それと並行してSFに、高次元のスピードを誇るフォーミュラレースにも挑戦する道を選び、それを実現した。ふた昔ほど前ならマカオ制覇はF1参戦直行切符となったものだが、今はそれがなかなか難しい状況。マカオを2度制した者がSFに来る、というのも異例といえば異例だ。

そして英国出身25歳のヤン・マーデンボロー(#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)は、昨年の全日本F3選手権シリーズ2位で、GT300のトップコンテンダーのひとりでもあるという面ではキャシディや山下と同様に順当なステップアップだが、キャリア初期においてゲームの世界から“リアルの世界”に進み、そしてここまで上り詰めてきたという意味で、やはり異色の存在なのだ。

初日午前(曇り/ドライ)のセッションは、#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)が1分36秒549の好タイムでトップ。#15 ガスリーは1分37秒740で10位、#7 ローゼンクヴィストは14位、#20 マーデンボローは2度の赤旗中断原因となるなどして17位だった。

午前セッションを終えたところで、ランチブレイクには“新鮮力”3人が共同会見に臨んでいる(キャシディと山下は昨年11月のテスト参加時に同様の会見に参加済み)。

#15 ピエール・ガスリー
「とてもファンタスティックな経験をさせてもらっている。SFはマシンの発生するダウンフォースが大きく、(ヨコハマ製ワンメイク)タイヤのグリップも高い。こういう速いクルマで、しかも鈴鹿のような素晴らしいコースを走ることができて最高だと感じている。ひとつひとつ、覚えていかなければならないわけだけれども、開幕に向けてベストを尽くしたい」

#7 フェリックス・ローゼンクヴィスト
「とにかくとても速いマシンであり、実に興味深く、そしてエキサイトしてもいる。僕が経験したことがないくらいにダウンフォースが大きいマシンだね。それに鈴鹿は小さい頃からF1などで見て、憧れていたコースでもある。夢のようだ。とても楽しんでいるよ」

#20 ヤン・マーデンボロー
「午前中は僕のミスでああいうこと(クラッシュで走行終了)になってしまったけど、慣れてきたとは思っているし、いい状況にあると考えている。チームメイト(#19 関口=午前トップタイム)が速かったしね。午後までにはチームがマシンを修復してくれるので、午後、そして明日と、どんどん向上していきたい」

最近は世界中から様々な進路を経て、SFに多くの有力ドライバーが(それぞれの進路を目指しつつ)集まるようになった。今季新人の顔ぶれはまさにその象徴たるものといえるだろう。

レベルの高さは以前から定評あったSFだが、より個性をもった面々の戦いによって、より一層、その深みが増すとともに、わかりやすい焦点が生まれることは注目度をアップさせる効果にもつながりそうだ。そういった面でも、異色のキャリアを有する3人の活躍が期待されている。

《遠藤俊幸》

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