全日本F3に“メルセデス・パワー”登場…有望な若手の争いに加え、エンジン競争も熾烈に

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#78 片山義章はメルセデス・エンジンで今季の全日本F3を戦う。
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「モータースポーツの甲子園」とも喩えられる若手ドライバーの登竜門カテゴリー、全日本F3選手権に、今季はメルセデス・エンジン搭載車が参戦することとなった。5つのブランドによるエンジン競争、こちらも話題になってきそうな気配である。

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世界共通規格のジュニア(ミドル)フォーミュラとしてのF3の立脚点は近年、欧州方面では微妙なものになりつつあるのも実情だが、日本のモータースポーツシーンにおいては『ここを好成績で卒業できたら、いよいよ本格的なプロフェッショナルレーサー』という全日本F3選手権の位置付けはほぼ不動。タイヤはヨコハマのワンメイクで、シャシーは実質的に新旧ダラーラのワンメイク、そしてエンジンはマルチコンペティションの状況で近年はシリーズが戦われている(Nクラスはエンジンワンメイク)。

3月初旬に公開された今季エントリーリストには、これから上を目指す若手を中心に19人の選手が名を連ねた(一部選手はフル参戦ではない模様)。そのなかで、ひときわ目を引いたのがメルセデス・エンジンの登場である。日本F3協会のスタッフによれば、同エンジンの全日本F3出走は初めてではないが、フル参戦となればこれが初とのこと。

昨季からフォルクスワーゲン(VW)エンジンが久々に復帰するなど、全日本F3はここへきて欧州勢も含めたエンジン競争活発化の様相を呈しつつある。

今年はメルセデスのほかにも、和製ブランドながら近年は海外での参戦が活動の中心だった「スリーボンド東名」エンジンも全日本F3に参戦。ホンダ・エンジンの名は昨季限りで消えたものの、トヨタ-トムス、戸田レーシング製とあわせて、5つのブランドによるエンジン競争が展開されることとなった(ワンメイクエンジンで競うNクラス車両を別にした場合の“総合部門”についての計算)。

VW、そしてメルセデスというブランドの訴求力は、コアなレースファン以外にも響くものであるだけに、その参戦は衆目を集める効果にもつながることが期待される。

7日には鈴鹿で今年最初の合同テストが始まり、メルセデスユーザーとしてエントリーリストに名前があった2名のうちのひとり、昨年のNクラス王者で今季は“総合部門”を戦う#78 片山義章(マシン名:OIRC F315)が注目のメルセデス・エンジンを背にして走った。

走行を終えた片山は「エンジン以外のところで(初期的な)問題が出たりしていましたし、今日はまだシェイクダウン(の延長)といったところですが、メルセデスのエンジンは滑らかな特性だと感じています」と語り、ここから車体面を含めてトータル的にマシンを煮詰めていけば戦える、そんな手応えを得た様子だった。

もちろん、名門トムスやB-Max & VWという強豪陣営がいるだけに、「甘くないことは承知していますが、まずは表彰台に何回も乗れるようになって、やるからには優勝、そしてチャンピオンを目指したいと思います」と片山は意気込みを語っている。

なお、もうひとりのメルセデスユーザーであるブルーノ・カルネイロ(AlbirexRT-WILSON)は、次の富士テスト(3月15日)からの走り出しとなる模様だ(鈴鹿テストには同じチームのNクラス参戦車で出走中)。

有望な若手の競い合いに加えて、エンジン競争激化という新たな見どころも生まれた今季の全日本F3は全9大会・全20戦の予定。開幕戦(第1~2戦)は3月31日~4月2日に岡山国際サーキットで開催される。

《遠藤俊幸》

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