【三菱 アウトランダーPHEV Sエディション 試乗】ロングドライブ性能をブラッシュアップ…鈴木ケンイチ

試乗記 国産車
三菱 アウトランダーPHEV Sエディション
三菱 アウトランダーPHEV Sエディション 全 9 枚 拡大写真

『アウトランダーPHEV』の魅力のひとつは、EVフィーリングのままでロングドライブができること。エンジンの振動と騒音のないEVでの高速走行は非常に快適だ。また、トルクフルでピックアップが良いというモーターの特性も高速走行に向いている。

純粋なEVでは電池が切れたら、面倒な充電が必要となる。しかし、アウトランダーPHEVならば充電しなくてもOK。誰よりも遠くまでEVフィールのまま走ることができるのだ。

そうしたアウトランダーPHEVの魅力を磨き上げたのが、今年の2月に追加された最上級グレードの「Sエディション」だ。わざわざ専用の生産ラインまで作って、ボディに構造接着材を採用し、ボディ剛性を高めた。ダンパーにはビルシュタイン。チューニングはドイツで行ったというから気合いが入っている。

その苦心の成果は、高速走行で如実に表れる。ハンドルから伝わるしっかり感と優れた直進性は、従来モデルよりも1枚も2枚も上。モーター駆動ならではの伸びやかな加速も気持ちいい。また、エンジンが始動しても、その音と震動はミニマムで、ほとんど風切り音にかき消されそうなほど。ACCもあるので高速走行は快適そのものであった。グランドツアラーを探すなら、アウトランダーPHEVの「Sエディション」は有力な選択肢となるだろう。

ただし、弱点もある。締め上げられた足は、荒れた低速路が苦手だ。また、ACCは0km/hまで働くが、停止時に制御をキャンセルする。電動パーキングブレーキを備えながらも、基本のシステムが古いため、最新のライバルのように停止状態をキープできないのだ。購入を考えるときは、この2点があることを加味してほしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  2. 日産『GT-R』生産終了、4万8000台を製造し18年の歴史に幕…次期型に知見継承へ
  3. 下請法が「取適法」に…2026年1月施行の改正ポイントは?
  4. レクサス『LM』対抗!これがメルセデスベンツ最高級ミニバン、『Vクラス』後継の最終デザインだ
  5. 「一度でいいから拝んでみたい」33台が完売のアルファロメオ、購入者の1人がF1ドライバーであることも話題に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る