ゴキブリの繁殖にオス不要? メス3匹で単為生殖を促進…北大研究チーム

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 ゴキブリが単為生殖するための卵鞘形成促進には、他個体の出す化学物質や、機械的接触を触覚などの感覚器で受容することが重要であることが、北海道大学の生命科学院博士課程2年の加藤巧氏らの研究チームによる研究で明らかになった。

 ゴキブリの単為生殖を促進する要因に関する研究は、北海道大学の生命科学院博士課程2年の加藤巧氏、電子科学研究学術研究員の岩崎正純博士(「崎」は立の崎)、低温科学研究所の落合正則准教授、理学研究院の水波誠教授、電子科学研究所の西野浩史助教らの研究チームが行っている。

 通常、動物は雌雄が交尾することによる有性生殖を行うが、オスのいない環境ではメスだけで遺伝的に似た子どもを産む場合がある。これは「単為生殖」と呼ばれ、節足動物や魚類、両生類、は虫類など、動物界に広くみられるという。ゴキブリは、オスがいるときは有性生殖、メスだけのときには単為生殖に切り替える「条件的単為生殖」を行う動物であるが、単為生殖を促進するメカニズムについては研究が進んでいなかった。

 研究では、プラスチック容器の中に成虫脱皮直後のワモンゴキブリのメス成虫を1匹~複数匹入れ、餌や水を十分に与えたうえで、単為生殖の卵鞘がいつ形成されるのかを調べた。さらに、「交尾できないように手術したオスと正常メスを一緒にした場合」「他個体の識別に利用される感覚器(頭部にある触覚や顎にある触髭)を除去した場合」「メスがオスを誘引するために放出する揮発性の物質(性フェロモン)をメスの代わりに容器内に付加した場合」の卵鞘形成についても調べた。

 研究の結果、メスを単独で飼育したときには卵鞘形成に時間がかかり、個体間でばらつく傾向が見られたが、メスを3匹一緒に入れると卵鞘がより早く形成されることがわかった。一方、交尾できないオスと一緒にした場合は、メスと一緒にした場合よりも卵鞘形成が遅く、触角を切断されたメスを複数で飼育すると、正常個体に比べ卵鞘形成は遅かった。また、性フェロモンを容器に入れても卵鞘形成への促進効果はなかったという。

 これらのことから、卵鞘形成促進には他個体の出す匂いなどの化学物質や、機械的接触を触覚などの感覚器で受容することが重要であることが明らかになった。

ゴキブリはメス3匹で単為生殖を促進、北大研究チームが発表

《外岡紘代》

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