日産、最高速190km/hのEV…『ブレードグライダー』プロトタイプを日本初公開

エコカー EV
日産ブレードグライダー
日産ブレードグライダー 全 9 枚 拡大写真

日産自動車は4月1日、千葉県内のレーシング施設で電気自動車(EV)の走行性能をスポーツカー並みに引き上げた『ブレードグライダー』を、日本の報道関係者に初公開した。今後は世界のモーターショーなどに出品し、EVの可能性をアピールしていく計画だ。

ブレードグライダーは、2013年の東京モーターショーにコンセプトモデルとして出品した後、英国のF1企業であるウィリアムズのグループ会社でレース用EVも手掛ける「ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング」とともにパワートレインなどの技術開発を進めてきた。16年夏までにプロトタイプモデル2台を完成させ、同年8月にはブラジルのリオデジャネイロで発表し、リオ五輪の期間中に展示や試乗などを行った。日本で公開したのは、そのうちの1台。

三角翼の航空機のように空力性能の高いデザインを採用、滑空するグライダーのように走るクルマをイメージしたネーミングとしている。一見コンパクトなイメージだが、全長4.3m、全幅1.85mと中級乗用車並みのサイズに、運転席1・後席2の3シートを備える。実際に乗ってみると、跳ね上げ式のドアにより、運転席、後席とも乗降しやすいデザインだった。

5個のモジュールから成る合計出力220kWのリチウムイオン電池と、出力130kWのインホイールモーター2基を搭載。最大出力は268馬力、最大トルクは707Nmの仕様となっている。車両重量は高出力バッテリーの搭載もあって1300kgとやや重め。日産のグローバル商品広報部アシスタントマネージャーのニール・リーブ氏によると、走行性能は「0~100km/hまでの加速時間は5秒程度、最高速度は190km/h」という。

プロトタイプの製作の狙いについてリーブ氏は、「EVは環境性能など機能性重視というイメージが強いが、ブレードグライダーはそれに対するわれわれの挑戦。ダイナミックな加速やハンドリングがEVでも可能だということを示すためだ」と説明する。また、「GT-RやフェアレディZなどを愛好いただく方に、それらが100%電気で動くとどうなるかを問いかけるモデル」とも指摘した。

ただし、「市販モデルの計画はない」(同)とし、EVで世界の先陣を切ってきた日産としてその極限の性能を具現化したモデルとして活用する方針だ。3月からはF1グランプリでおなじみのモナコの市街地を、ハリウッド女優のマーゴット・ロビー氏が駆け抜けるプロモーション映像をSNSを通じて公開している。リーブ氏によると、当面はトルコ、中東、インドネシアなどでのモーターショーや走行イベントで活用していく計画という。

《池原照雄》

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