バンコクモーターショーは、東京ショーと同様に2輪車も展示される。そのなかで今回、大きな存在感を見せたのは地元タイのGPXレーシングだ。1台をワールドプレミアしたほか、昨年発表したばかりの最新モデルをディスプレイ。国内外のメディアから注目を集めていた。
初公開となったのは、スクランブラースタイルを持つ125ccモデル『デモンX』。昨年のバンコクショーでは、コンセプトモデルとしてモックアップを展示していたが、今回の展示でほとんどそのままのデザインで商品化されることが明らかになった。
デモンXのエンジンは既存の『デモン』、日本では『デーモンホッパー』の名称で月木レーシングが販売しているモデルと共通だが、フレームは独自形状のものを採用。デザインはイタリアの2輪メーカーで実績を重ねたニコラ・ポッジォの率いる社内チームが手がけている。
単気筒エンジンのシリンダーブロックをほとんど水平に寝かせるのは、ホンダ『MSX』(日本名:グロム)やカワサキ『Z125』と同じレイアウト。前後タイヤが12インチというのも変わらない。デモンXの価格はまだ公表されていないが、これらライバルよりも低価格で、同等のスタイリッシュさを持つことが魅力になるという。
このほか、昨年末に発表されたばかりの『デモン150GN』、『ジェントルマン』もブースに並べられた。デモン150GNはデモンシリーズを名乗るが、エンジンはクラシカルスポーツ『レジェンド』に搭載されていた、オーソドックスな単気筒150ccエンジンを採用。前後タイヤも14インチにされ、ストリートスポーツとしての資質を追求している。
ジェントルマンは同じくレジェンドの200ccモデルから派生させた、モダンなカフェスタイルを持つスポーツモデル。エンジンは単気筒の空冷で、シュラウドに覆われた大型オイルクーラーが目を引く。組み合わされるトランスミッションは6速で、最高時速は137km/hと公表されている。
GPXレーシングは2007年に創業され、少しずつ自社モデルの販売ボリュームを拡大させてきた。当初は日本車をコピーしたような車種もあったが、そうしたモデルはすでにラインナップから姿を消している。まだまだバンコク市内で見かける機会が多いとは言えないが、これからは着実に市場での存在感を拡大させてゆくことになりそうだ。なお同じくタイの2輪ブランドのスタリオン・モーターは、今回は出展しなかった。