日野自動車は14年ぶりに全面改良した大型トラック『プロフィア』を5月22日から販売を開始すると発表した。内外装を一新するとともにダウンサイジングエンジンの採用などにより燃費を向上させた。
プロフィアのチーフエンジニアを務める渡邉良彦氏は4月5日の発表会で、まず一新した外観について「ドライバーが誇りを持つことができ、ドライバーが憧れるスタイルを狙って、革新と存在感を両立させた」と述べた。
具体的には「大型化されたフロントグリルは他を圧倒する存在感で、縦ラインのデザインは日野の大型トラックの血統を受け継いでいる。Hマークの圧倒的な存在感は信頼を約束する我々開発陣の強い決意を表している。ヘッドランプはデイライトを備え、ひと目でわかる日野の新しいアイコンとなっている」とした。
内装も同様に大きく変化した。渡邉チーフエンジニアは「室内は仕事場ではなく、ドライバーが長時間過ごす生活空間として、ブラウンを基調としたハイセンスで落ち着きのある上質な空間にした」と解説。
このうち運転席は「コックピットレイアウトにより、これまでのモデルに比べて約100mm手元に近づけることで、操作性の向上を図った」という。また国内大型トラックとしては初めてダイヤル式のギアセレクターを採用(機械式自動変速機搭載車)し、パーキングブレーキレバーとともにインストルメントパネルに設置することで「センターには何もないフラットなスペースを実現できた」ことも特徴のひとつとなっている。
また主力の380馬力エンジンは従来の13リットルから新開発の9リットルエンジンにダウンサイズした。さらにシャシーも一新した。これにより燃費向上だけでなく積載量もアップしているという。
ダウンサイズエンジンに関して渡邉チーフエンジニアは「排気量は小さくなるが2段過給ターボの採用、さらにはターボの立ち上がりチューニングにより従来の13リットルエンジン並みの力感を維持している。12段プロシフトとの組み合わせでは、大型トラック初の平成27年度燃費基準にプラス10%を達成できた」と明かした。
さらに「ダウンサイジングにより積載量は従来比プラス300kgを実現。エンジン搭載位置やキャブバックの形状見直しなどにより、さらなる荷台容積の拡大を図り、エアサスの軽量化などでより積めるトラックを実現した」とも。
このほか「従来から標準装備している安全装備をさらにワンアップしている」ことも特徴のひとつで、なかでも衝突被害軽減ブレーキは停止車両と歩行者を検知して衝突を回避できるようになった。渡邉チーフエンジニアは「この機能向上は国内で2019年に強化される法規に先駆けて対応したものであり、可変配光型LEDヘッドランプの採用と合わせて最新の安全装備としてアピールしていきたいと思っている」と話していた。