【WTCC】フル参戦初戦を終えた道上龍…「短距離レースだが、いろんな要素が詰まって独特の難しさがある」

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初のWTCCフル参戦、開幕のモロッコ大会を戦った道上龍。
初のWTCCフル参戦、開幕のモロッコ大会を戦った道上龍。 全 5 枚 拡大写真

4月7~9日にモロッコのマラケシュで今季開幕大会が実施された世界ツーリングカー選手権(WTCC)。ホンダのワークス選手として、自身初のフル参戦を開始した道上龍が初戦(1大会2レース)を終えての実感を語った。

昨年のツインリンクもてぎ大会にスポット出場した道上龍(りょう)は、44歳となった今季、初めてWTCCフル参戦の機会を得た。ホンダのワークスドライバーのひとりとして、「シビックWTCC」で世界の猛者たちを相手に戦う。

2000年にはGT500チャンピオンとなるなど、ホンダのエースとして長く活躍した道上だが、近年は指導者的立場での活躍が増し、第一線での現役ドライバー活動は昨秋のWTCCもてぎ大会が久々だった。そこで評価と手応えを得て、今季のフル参戦が実現した格好だ(WTCCはベテラン選手が活躍の場とすることも多いシリーズである)。

迎えた開幕大会、予選では9位というポジションを手にしたかに思われた道上だが、マシン重量計測の指示を見落とすミスがあってタイム抹消、予選順位は13位の扱いになってしまう。

予選9位なら、1~10位がリバースグリッドからスタートするレース1(オープニングレース)に向けては2番グリッド確保となっただけに残念である。まだWTCCというレースフィールドに慣れていないところで、いきなりの洗礼を受けた。

決勝でも、レース1では好スタートを切ったものの、すぐに後続に追突されてリタイアを喫す。

厳しい展開が続いた道上。しかし、マシンを修復して臨んだレース2(メインレース)では10位で完走、ドライバーズポイント1を稼いで開幕大会を終えた。ホンダの古川隆一プロジェクトリーダーは「マシンの仕上がりについてポジティブだっただけに(レース1は)残念な結果」と道上のフル参戦初戦を評しており、結果以上の内容があったと考えてよさそうだ。

まだシーズンは始まったばかりである。ホンダ勢の海外戦士としては、インディの佐藤琢磨(40歳)と並ぶベテラン両巨頭といえる存在の道上。海外キャリアの長い琢磨に対し、道上はルーキーではあるが、今季の躍進に期待をかけたい。

道上龍のコメント
「予選では自分のミスで残念な結果となりましたが、マシンの感触はとても良く、コースの特性も自分に合っている感じがしたので、気持ちを切りかえてレースに臨みました。オープニングレース(レース1)ではスタートがとてもうまく決まり、1周目で(同じホンダの)モンテイロ選手のすぐ後ろにつくことができたのですが、後ろから追突されて、何もすることができずにスピンしてしまいました」

「左リヤのアームにダメージを負ってしまい、なんとかピットに戻ることはできましたが、リタイアせざるを得ませんでした。早い段階でピットに戻れたので、メインレース(レース2)に向けてマシンを直すことができたのはよかったです」

「メインレースでは初めからいいペースで走れていたのですが、なかなか抜けないコースだけにポジションを上げることはできませんでした。ちょっとした隙をつかれてライバルに抜かれもしましたが、レースを走り切ることができたことで多くの収穫を得られたと思います」

「WTCCは短い距離のレースですが、そのなかにいろいろな要素が詰まっていて独特の難しさがあります。まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあると感じましたし、世界のトップレベルと競う大変さも実感しました。これからも経験を重ねて、自分をレベルアップさせていきたいと思います」

WTCCは今季10大会の予定で、次大会はイタリアのモンツァにて4月28~30日の開催。そして道上の凱旋レースとなる日本大会は、10月27~29日にツインリンクもてぎで開催される。開幕大会を終えて96対96の同点で並んだホンダ対ボルボのマニュファクチャラーズタイトル争い、こちらの展開も今後が注目されるところだ。

《遠藤俊幸》

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