グッドデザイン賞選定商品を集めたコンセプトストア「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」が4月28日に開業した。場所は東京駅前の商業施設「KITTE」3階で、店鋪の運営は野原ホールディングスが手がけている。
店内で取り扱う商品は日常生活に使い、親しめるプロダクト。いずれもグッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)に選定された工業製品で、「グッドデザイン賞のセレクトショップ」と言える品揃えになっている。
店鋪は「よいデザインに囲まれた暮らしを提案する」というテーマでデザインされた。全体を「前庭のある家」に見立て、「ダイニングルーム」「リビングルーム」「フロントガーデン」「ホビールーム」の4エリアに分割。そして「部屋を区切る壁」はすべて陳列棚にされ、食器から家具、家電、文具や玩具など、日常生活に使われるさまざまな商品がカテゴリーごとに整然と並べられている。
店鋪を運営する野原ホールディングスは、野原産業が2017年に持株会社制に移行して誕生。野原産業といえば、建設資材の供給をはじめとしたBtoB業務を中心としてきた企業だ。意外な主要業務としては道路標識の製造があるものの、こちらも国や地域のインフラを支えるもので、一般消費者が直接に関わりを持つものではない。
そうした企業が、なぜ消費者に商品を販売する事業に乗り出したのか。そしてなぜ「グッドデザイン・ストア」なのか。「これからは、一般消費者にも商品を届けたい。そしてグッドデザインという切り口で、いまの日本の商品、そしてものづくりを紹介したいと考えました」と説明するのは、野原産業事業開発部の森田誠一部長。
「日本の優れた工芸品を見て、手に取ってもらう場はたくさんあります。しかし、”現在の、優れたデザインのプロダクト”を幅広く見られて、実際に買えるという店はありませんでした」と森田部長。さらに「消費者が”いいモノ”に出会えるだけでなく、メーカーと消費者が出会い、繋がれる場を目指しています」とのことだ。
なお店鋪前面の「フロントガーデン」では最新の受賞商品を集めたり、デザイナーに焦点を当てて商品を集めるといった期間限定の企画なども構想しているという。