2つの循環バスが走り出した会津下郷…いで湯と渓谷の里が近くなった

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会津下郷駅の“駅ナカカフェ”で買ったマスバーガー
会津下郷駅の“駅ナカカフェ”で買ったマスバーガー 全 12 枚 拡大写真

福島県下郷町といえば、大内宿に湯野上温泉、塔のへつり、嶽観音堂…。東武・野岩・会津鉄道直通特急「リバティ会津」の登場にあわせ、こうした観光スポットをめぐるバスが誕生した。土休日に運行する「会津下郷 観光循環バス」だ。

4月22日から走り始めた同バスは、会津田島駅を起点とし、祇園会館、大内宿、湯野上温泉駅、塔のへつり、中の沢観音堂、下郷駅などを経由し、会津田島駅へと戻ってくる「北循環」と、下郷駅を起点に、養鱒公園駅、金子牧場、観音沼森林公園、ジイゴ坂学舎などを経て下郷駅へと戻る「南循環」の2ルート。

北循環と南循環は下郷駅で接続し、互いに乗り換えられる。会津田島駅では、リバティ会津や会津鉄道リレー号に接続。直通特急と循環バスで、「都心と下郷の観光スポットが一気に近づいた」(町役場担当者)という。

浅草を6時30分に発つリバティ会津101号(同けごん1号併結)で会津田島へ。9時45分、東武500系が会津田島に着くと、駅前に10時発の北循環バスが待っている。1日フリー乗車券(大人1800円、子ども900円)を購入し、北循環バスでバス国道121号(日光街道)を北上、大内宿へ。

江戸時代、下野街道(会津西街道)の宿場として栄えた大内宿は、江戸と会津の間を行く人でにぎわった。当時、若松を出た旅人や大名らの“昼食の休憩地だった”ともいわれている。戊辰戦争のころも焼き討ちから逃れたことから、茅葺き屋根の民家が連なる当時の景色がいまも残っている。観光地化したいまも、客の呼び込みの声などはなく、聞こえてくるのは鳥のさえずりと、道の両脇を流れる雪解け水のせせらぎだけ。

大内宿
北循環バスは、1日4本走っていることから、同ルートの観光スポットを少なくとも3か所めぐれる。大内宿に1時間滞在し、次の北循環バスで湯野上温泉駅へ。阿賀川(大川)に沿って走る日光街道・会津鉄道に沿って温泉宿が点在する湯野上温泉の日帰り入浴を選ぶか、一泊するか。それとも、湯野上温泉駅の足湯に浸かるか…。

塔のへつりは、阿賀川の右岸にそびえたつ奇景。へつりは、地元の言葉で、断崖や急斜面といった意味をもつ。百万年の歳月をかけて侵食と風化を繰り返し、複数の塔に見える断崖になったといわれる。吊橋をわたり、断崖に接近すると、未舗装の小さな道に出る。地元の人は「この岩肌を掘ったような道は、会津中街道で、県道だったんですよ」と教えてくれた。

塔のへつり。岩肌に凹んだ道は、かつての会津中街道
会津下郷駅で、南循環に乗り換える。30分ほど時間があるので、駅舎のなかにできたカフェへ入る。駅には女性が3人。彼女たちは駅業務を担当しながら、コーヒーを淹れ、マスバーガーをつくる観光公社のスタッフ。これからバスで養鱒公園へ行くと伝えると、「地元で育った鱒をフライにしてバンズにはさんだマスバーガーを食べてみて」と。アツアツの鱒フライとサルサソースの組み合わせは初めての味。バンズは、地元でとれたジュウネン(エゴマ)の実が練り込んであってぷちぷちとした食感が面白い。

養鱒公園で、母川回帰を想わせる鱒の逆流ジャンプを見て、再び戻ってくるバスに乗って、会津下郷駅へ。帰りは、会津田島行き会津鉄道リレー148号、リバティ会津148号(同けごん48号併結)に乗れば、浅草に21時15分に着く。

また、北循環バスの湯野上温泉駅、塔のへつり前、塔のへつり入口の各バス停では、福島交通の観光路線バス 会津若松・白河線にも接続し、磐越西線・只見線の会津若松駅や、東北新幹線・東北線の新白河駅などともつながる。

前出の会津鉄道リレー148号のひとつ前の会津田島行き普通列車(2313D)と、下今市行き普通列車(328)に乗り継げば、鬼怒川温泉駅前の足湯も試せる。鬼怒川温泉駅では、C11形207号機が向きを逆転させる転車台が、下今市駅ではSL列車の拠点となる下今市機関区が見えた。

鬼怒川温泉駅に出現した転車台
民宿・紫泉の露天風呂からは、阿賀川を渡る会津鉄道の気動車が見える

《レスポンス編集部》

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