【インタビュー】今年のプジョーはSUVで攻める…プジョー・シトロエン・ジャポン プレヴォ社長

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プジョー・シトロエン・ジャポン クリストフ・プレヴォ社長
プジョー・シトロエン・ジャポン クリストフ・プレヴォ社長 全 8 枚 拡大写真

4月10日に東京・六本木で開催されたプジョーの発表会は、この日デビューした新型『3008』だけでなく、ひと足先に発売していた『2008』、今年中に導入予定の新型『5008』と、SUV 3車種を一堂に揃え、SUV発表会としていた。

今年のプジョーはSUVで攻めるという意思表示がこちらにも伝わってきた。しかし昨今は多くのブランドがSUVを送り出している状況。その中でプジョーらしさをどう打ち出すのか。発表会場で話を伺ったプジョー・シトロエン・ジャポン代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏は、次のように説明した。

「マッスルなボディ、冒険的な雰囲気、高めのドライビングポジションなど、SUVの基本は押さえたうえで、プジョーらしくエクステリアもインテリアもデザインにこだわりました。さらにドライビングプレジャーも追求しました。ハッチバックやセダンに乗っているような感覚でドライブできるはずです」

新型3008については、今回お披露目された1.6リットルターボのガソリン車に、その後2リットルターボのクリーンディーゼル車が今年の夏頃に追加されることも公表された(車両本体価格は税込426万円)。これについては、どちらが本命ということではなく、国産車のユーザーにドイツ車以外の輸入車の良さを知ってもらうべく、幅広いバリエーションを持たせたという思いがあるようだ。ガソリンの3008アリュールは税込354万円という戦略的な価格を与えられている。

その中で2008、3008、5008の棲みわけについては、ボディがコンパクトな2008は都市向き、3008はキャビンに余裕があるので旅へと誘うクルマ、そして3列7シーターの5008は家族連れやゴルフなど、様々なシーンに対応できるスペースがポイントだと紹介していた。

3車種すべてが前輪駆動のみで、4WDの用意がないことが気になる人もいるだろう。近年欧米でSUVがブームとなっているのは、ハッチバックやセダンとは違うファッション性に惹かれている人が多いためだが、日本はオフロード4WDの車種が多かったためもあり、SUV=4WDと捉えているユーザーもいる。こうしたマーケットに対してプジョーはどう考えているのだろうか。

「日本にもさまざまな場所がありますが、たとえば東京であれば、4WDの威力を発揮できる場所はほとんどないと考えています。むしろ車体が重く、燃費が悪くなり、ドライビングプレジャーが失われるなど、デメリットのほうが気になるでしょう。しかしときには走破性が欲しいときもあります。そのために用意しているのが“グリップコントロール”です。簡単な操作で4WD並みの機動性を得ることができます」

センターコンソールのダイヤルで路面に合った走行設定を自動的に行ってくれるグリップコントロールに似たテクノロジーは、4WDのSUVには搭載例もあるが、前輪駆動で付けるのは珍しい。しかし東京のような温暖な地域では、フランスらしい合理的なこの組み合わせこそベストではないかと、説明を聞いて感じるようになった。

もちろんプジョーは4WDを否定しているわけではなく、良さは認めている。その証拠に3008ではPHEVとして4WDの開発を進めているようだ。

プジョーと言えばボディカラーも魅力のひとつだ。新型3008ではメタリックコッパーやアマゾナイトグレーなど、他のSUVではなかなか見られない色使いが特徴になっている。この点については、フランス車だから色にもこだわりたいという声がディーラーからもあったとのこと。前述の2色についてはSUVらしい土のイメージも盛り込んだそうだ。

プジョーは昨年、日本で7403台を販売した。前年比で25%ものアップであり、2007年以来の数字だった。この数字についてプレヴォ氏は、主力の308をはじめとして、価格や装備などの綿密な調整を行ったうえで導入したことや、ネットワークの効率性を高めたことが成功を導いたと語った。

《森口将之》

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