アストンマーティン東京がショールームを秋にオープン、グローバルブランドセンターも担う

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アストンマーティン ヴァンキッシュS
アストンマーティン ヴァンキッシュS 全 8 枚 拡大写真

4月1日より、アストンマーティンの東京専属ディーラーとしてスカイグループが指名され、東京のフラッグシップショールームの全権がゆだねられた。西麻布に仮ショールームがオープンし、秋には青山に正式にショールームがオープンする予定だ。

スカイグループは、「(ランボルギーニやマセラティなど)ラグジュアリービジネスを展開する日本有数の企業」であり、東京、神奈川、新潟にディーラーを保有。「彼らがアストンマーティンファミリーの一員に加わってくれたことを大変嬉しく思う」とアストンマーティン・ラゴンダ社長兼最高経営責任者のアンディ・パーマー氏は評価する。

そして、アストンマーティン東京の本拠地となる青山ショールームは、ディーラーだけでなく、「我々のブランドセンターも併設される予定だ。これは我々にとってイギリス以外では初めて開設されるグローバルブランドセンターであり、日本におけるアストンマーティンブランドの大きな進化を示すものだ」と高い期待を表す。

そもそもスカイグループはなぜアストンマーティンを選んだのか。アストンマーティン東京取締役の伊藤秀典氏は、「我々はプレミアムスポーツカーブランドやラグジュアリースポーツカーブランドを取り扱っている。アストンマーティンはその中間のGTカーの分野で卓越したブランドだ」とポジショニングしたうえで、「我々はそこに興味があり、またセカンドセンチュリープランという壮大な計画も聞いており、興味を持ち、そのブランドのファミリーに入れてもらいたいとアプローチしていた」とコメント。

一方アストンマーティン側はどうか。アストンマーティン・ジャパンマネージングダイレクターの寺嶋正一氏は、「東京は最重要都市の1つ。そうなると東京でのお店のプレゼンテーションは、本当に立派な魅力のあるものにしなければならない」としたうえで、「スカイグループと組むのが一番良いと結論に達した」と話す。

具体的には、「ファシリティの投資の部分や、今後のセカンドセンチュリープランの台数増加を考えた時の能力、キャパシティを考えた時に、スカイグループが一番間違いないと判断した」と述べた。

これまでのディーラーは長年アストンマーティンを扱っていたことから、古くからの顧客を抱えている。その対応に関しては、「既存のお客様には、辛抱強くきちんと説明し、スカイグループで今後しっかりと面倒を見ていくことで、安心してもらえるよう取り組んでいく」とサービス面を強調し、現在アストンマーティンの経験を持つメカニックが2人入社したことを明かした。

更に、「スカイグループの中からも特に優秀なメカニックを選抜しているので技術力の面では全く心配はない」。またキャパシティの部分では、「今日本橋に工場があるが、今後は2つ目の工場を作る計画もあるので、セカンドセンチュリープランに向けて台数が増えた時のことも踏まえ計画を立てている」とした。

さて、スカイグループとしての販売計画について伊藤氏は、「2017年は、月10台、年間80台の計画を持ってスタートしているが、あくまでも計画は計画なので、クルマが入ってこないことには難しいかもしれない」という。現在2017年モデルの中には完売しているものもあることから、実際の受注状況と、入庫モデルが合致しない可能性があるのだ。

今後の販売戦略について伊藤氏は、「スカイグループでは、都内にランボルギーニ、マセラティ、神奈川にはポルシェのディーラーがあり、そちらで興味のあるお客様や、我々のグループのクルマに乗っていない見込み客の方も含め、そういった人たちにアストンマーティンを販売していきたい」と述べるが、それでは“カニバリ”も想像される。その点について伊藤氏は、「こういったお客様は複数台所有しており、その中の一台になれればいい。つまり代替えよりは増車を期待しているのだ」と楽観的だ。

特に、「クルマ好きの方が多数なので、今のクルマは手放したくないという方が多い。従って我々が思っているよりも増車が増えるのではと考えている」と述べる。

そして、「日本は非常に重要なマーケットだとメーカーも認識しており、セカンドセンチュリープランが始まり、日本でも東京が全国の50%を占めていることから、そこをしっかりと担って、アストンマーティンファミリーとして貢献していきたい」と意気込みを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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