日産 西川社長「世界シェア8%は次期中計で」…今期営業利益は8%減益予想

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日産の西川社長
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日産自動車は5月11日、2017年3月期の連結決算と今期(18年3月期)の業績予想を発表した。

今期は北米の伸びが鈍化するものの中国や日本での順調な販売推移を見込む。だが、前期のカルソニックカンセイの売却に伴い、営業利益は前期比8%減の6850億円と、2期連続の減益を予想している。

今期の連結販売計画は4%増の583万台とし、達成すれば前期に続いて最高を更新する。主力の北米は1%増の214万台と小幅成長になるものの、中国は9%増の148万台、また新モデルが好調な国内も7%増の59万5000台を見込んでいる。

為替レートは1ドル108円と、前期実績より30銭の円高を前提にしており、営業損益段階で600億円の減益影響となる。販売台数増などによる増益効果は1950億円としている。一方、鋼材など原材料費の上昇による減益影響として900億円を織り込んだ。また、カルソニック社が連結決算から外れた影響も425億円におよぶ。

今期の純利益予想は19%減の5350億円。前期にカルソニック社株の売却によって計上した特別利益がはがれる影響で減益幅は大きめになる。売上高は1%増の11兆8000億円と、2期ぶりの増収を見込んだ。

17年3月期決算は営業利益が6.4%減の7422億円と、3期ぶりの減益だった。純利益は26.7%増の6635億円となった。連結販売台数は4%増の562万6000台となり、北米、中国、欧州でプラスを確保している。円高による減益要因は2819億円だった。同期の年間配当は前期比6円増配の48円、今期予想は5円増配の53円としている。

日産は11年度から16年度までの中期計画「パワー88」で、営業利益率、世界販売シェアともに8%を目標としてきた。最終年である前期の営業利益率(中国合弁は比例連結で算定)は6.9%、販売シェアは6.1%と、いずれも届かなかった。ただ、営業利益率はこの1年の円高影響を排除すると8.3%となる。

横浜市の本社で記者会見した西川廣人社長は、パワー88について「残念ながら8%には届かなかったが、事業規模の拡大などを図っておりい次の6年間に向けた大きな基礎になった」と評価した。そのうえで、利益率については「一定の為替条件だと8%が確保できるようになったが、厳しい条件でも達成できるようブラッシュアップしていきたい」と述べた。

また、販売シェアについては「次の6年間の中期計画で到達したい」と強調した。策定に入った次期中計では、売上高を中国合弁比例連結ベースで前期の12.8兆円から16.5兆円に伸ばし、「持続可能な営業利益率」として8%をめざしていく方針だ。

《池原照雄》

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