富士通のAI『Zinrai』はスパコン『京』と量子コンピューティング技術で進化

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取締役執行役員副社長の谷口典彦氏
取締役執行役員副社長の谷口典彦氏 全 5 枚 拡大写真

5月16日、富士通は、5月18日から2日間の予定で一般公開される「富士通フォーラム2017」に先立ち、AI戦略に関する発表会を開き、富士通のAI『Zinrai(ジンライ)』に関して説明した。司会進行は、富士通のロボット『ロボピン』によって進められた。

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発表会ではまず、取締役執行役員副社長の谷口典彦氏が登壇し、富士通のAIビジネスについて説明した。「IoTやロボティクス技術の波によって、AIがいよいよ本格的に立ち上がってきた。富士通のAIブランド『Zinrai(ジンライ)』は、人と協調し、人を中心としたAI、継続的に成長するAI。このAIを広く商品・サービスに組み込み提供していく」

「Zinraiは、APIとして提供を開始し、プラットフォームサービスとなっている。利用例としては、まずはコールセンターでの利用が多く、つぎにものづくり・保守保全・ナレッジ活用、Fintechなどと続く。また、理化学研究所との提携やスタートアップとの連携も進んでいる」

続いて執行役員の原祐貴氏が登壇した。谷口副社長いわく、富士通のミスターAIと言われる人物だ。原氏は富士通のAI研究の歩みから説明を始めた。「AIの研究を始めて30年間。AI関連特許を200件持っており、国内でトップ。」

「Zinraiの強みは、業種・業務ノウハウをAPI化しプラットフォームとして提供できること、スパコンで培ったDeepLearning技術など。特に、世界最速クラスのディープラーニング技術を生かした画像認識・グラフデータ分析、自然言語処理・知識処理。また世界最大規模の知識ベース(LinkedOpenData)構築が可能」と語った。

つづいて執行役員の吉澤尚子氏が登壇し、Zinraiとスーパーコンピューター技術、量子コンピューティングについて説明した。「AIの利用においては、分析するビッグデータの下処理にかかる時間が問題になる。そこでスーパーコンピューター『京』の技術を活用し、AIで分析するデータの前処理をスパコンで実施することで効率化を実現する」

「また先端技術への挑戦として、スパコン技術とディープラーニングの経験を活かした量子コンピューティングに取り組む。『デジタルアニーラ』といい、量子コンピューターそのものではないが、量子の振る舞いを利用して、組み合わせ最適解を高速に算出することができるものだ。このデジタルアニーラを、Zinraiディープラーニングのオプションとして2017年夏提供予定だ」

最後に質疑応答において、自動運転など組込み向けのAIについての取り組みについて吉澤氏が応え、「計算資源が必要な学習はクラウドで。クラウドで作った学習済みモデルをエッジ側(組込み側=車両側)に配信し、結果精度が低かったものなどをクラウドに戻して再検討するという仕組みを考えている。」と説明した。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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