スバル、インプレッサと XV の衝突実験を公開---衝突安全性能評価大賞で歴代最高点

自動車 テクノロジー 安全
オフセット前突試験
オフセット前突試験 全 40 枚 拡大写真

SUBARU(スバル)は24日、独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が行う、JNCAP(自動車アセスメント)衝突安全性能評価における歴代最高点を受賞した、『インプレッサ』『XV』の衝突実験の様子を報道陣関係者に公開した。

スバルは報道関係者向けに、自社の歴史や技術などを紹介するスバルテックツアーを開催しており、第5回の今回が「衝突試験見学会」となる。

群馬県太田市スバルビジターセンターと群馬製作所において行われた今回のテックツアーは、まず、2016年の交通事故による死亡事故の件数や、交通死亡事故の特徴などが説明された。スバル独自の技術である「アイサイト」搭載車による追突事故や歩行者事故発生率が下がっていることなどが紹介され、アイサイトを搭載していることで追突事故は減らすことができても、歩行者の死亡事故はなかなか減らすことができないでいる現状、そこで死亡事故の半数を占める歩行者の保護を目的とした取り組みを行っていることなどが紹介された。

自動車本体は衝突時にボディを潰れるようにして衝撃を吸収し、キャビン部分の剛性は保ち乗員の安全を確保する技術は進歩しているが、歩行者保護の観点ではなかなか難しい場面も見られる。ボンネットは、凹んだり潰れることで歩行者の頭部が当たっても衝撃を緩和する。いっぽう、ボンネットの付け根にあたる、ピラーは、車体剛性の確保のために柔らかくすることは困難な場所だ。そこに歩行者の頭部が当たると非常に危険だ。歩行者エアバッグを装備し、歩行者がボンネットに乗るような事故の際に歩行者保護を狙う。

今回公開された試験は「オフセット前突試験」「歩行者エアバッグ 静展開試験」「歩行者エアバッグ、センサ試験」の3種類。

オフセット前突試験では64km/hでアルミハニカム構造のバリアに車体右半分が衝突する試験が行われた。車体前部は激しく損傷しているが、キャビンはしっかり保護されドアの開閉もなんの問題もなくできる。またボンネットが折り畳まれるように潰れることで、フロントガラスを超えてキャビンに侵入してこないようになっていることも解説された。搭乗していたダミーも、ステアリングのエアバッグ、サイドカーテンエアバッグ、ニーエアバッグでしっかり保護されているのが確認できた。

歩行者エアバッグ静展開試験では歩行者エアバッグの展開の仕組みを紹介。フロントバンパー内に装備されたセンサーも紹介し、装備されたシリコンチューブに掛かる圧力を感知して歩行者なのか、大きな事故なのかを判定しているという。歩行者エアバッグは、ボンネットとフロントガラスとの隙間から瞬時に展開され、ボンネット後方に広がり、歩行者が飛んできた場合の保護を意図する。また、歩行者エアバッグは車体の外に付く装備のため、雪や土砂などが溜まった場合でも適切に開かなくてはならないので、そのような状況でもテストをしていることが紹介された。

歩行者エアバッグセンサ試験では、ペットボトルを積んだショッピングカートに衝突、人ではないということことを判定し、歩行者エアバッグが展開しないことを試験。また水濠突入の試験も公開され、止むをえず深い水に突入した場合、大きな衝撃がセンサにかかると思われるが、その場合でも歩行者エアバッグが展開しないことをみせた。

これらのような試験は一般公開されていないが、スバルビジターセンターには過去の名車が並ぶエリアのほかに、カットボディを用いた衝突の安全性について説明された展示も用意され、スバルの取り組みについて知ることもできる。

《雪岡直樹》

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