アイシンAWが取り組む「近未来予測」とは【Teradata Universe】

5月23日「Teradata Universe 2017」でアイシンAW コネクテッドソリューション部部長である石川裕記氏が登壇した。アイシンAWのキーワードは『近未来予測』である。

自動車 ビジネス 企業動向
アイシンAWが取り組む「近未来予測」とは【Teradata Universe】
アイシンAWが取り組む「近未来予測」とは【Teradata Universe】 全 16 枚 拡大写真

データ分析ソリューション企業である米テラデータ社主催によるビジネスセミナー「Teradata Universe 2017」が開催され、アイシンAW コネクテッドソリューション部の石川裕記氏部長が講演に登壇した(5月23日)。

講演タイトルは「近未来予測への取り組みについて」。安全・快適な走行のため、周辺の走行環境がどのようになっているかを事前に知るための「近未来予測」について、取組みが紹介された。

アイシンの技術領域と強み

まずアイシンAWの会社紹介を兼ねて、アイシンの技術領域と強み、今回の取り組みに至るバックグラウンドが紹介された。オートマチックトランスミッションでは世界トップ、ナビゲーションシステムでも世界トップクラスの規模であることを紹介したあと、コネクティッドカー領域での実績が紹介された。

トヨタ車やレクサス車ではおなじみになっているマップオンデマンドやプローブ交通情報を2007年に開始している。「マップオンデマンドは、トヨタグループお得意のカイゼン活動で更新スピードが上がって、昨年度は24回の更新実績があり、特に高速道路については、まだ数回ですが、開通後、1時間以内に実走確認を終えて更新できるようになりました」。

そして自動運転領域について、センシング技術と車両制御技術というアイシンの強みをアピールした。「リアカメラの画像から道路のペイントや白線の情報をデータベース化し、前後誤差50cm、左右方向はレーン単位の自車位置判定を実現しました。これを利用し、高速道路への合流や退出を検知してシフトダウン(AT協調制御)したり、一時停止の交差点進入時にブレーキをアシストする機能を提供しています」。

キーワードは「近未来予測」

そして、これからのアイシンAWの取り組みについて話が進む。「クルマ社会の動向はコネクティッドと自動運転、この二つの話題で持ち切りです。特にコネクティッドは、ほとんどのメーカがいろんな名前でコネクティッドに取り組んでいます」

「アイシンAWが実現する未来として、『近未来予測』をキーワードとしています。近未来予測とは、例えば近接は自律センサーによる対物検知領域ですが、そういった自律センサーでは検出できない近未来予測領域のことです。カメラだと200mくらい先まで見えますが、1km先や、あるいは交差点を曲がった先、カーブの先は分からない。そこを予測し安全快適でスムーズな運転をサポートできるように取り組んでいます」

「例えば車載カメラで撮れた道路の映像から、何が写っているかを解析します。それを、ナビをやっている経験を活かして、地図や位置データ、あるいは車両センサー情報と組み合わせることで、コンテンツ化できると考えます。画像認識のビッグデータやディープラーニングの部分はテラデータと連携してやっています」

「地図情報と位置情報を組み合わせて自車周辺を検索する例として、ドライバーから見える映像から、看板を抽出することに取り組んでいます。日本のロードサイドには看板がたくさんあって、情報の宝庫です。クルマから見える情報はとても多いので、コンテンツ化して活用していきたいと思います。ナビ用地図のPOI情報を利用して、この辺に何があるということを利用して精度を高めています」

「近未来予測というキーワードで、これまで培った技術を自動運転に生かしていきたいと考えています。そして、できたコンテンツや術を違う分野で活かすためいろいろコラボレーションしていきたいと思います」

《佐藤耕一》

この記事の写真

/

関連ニュース

特集