大手超え、299人以下の規模でベア平均1319円、業種別では「販売」が1476円...自動車総連

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業種別規模別にみたベースアップ平均
業種別規模別にみたベースアップ平均 全 1 枚 拡大写真

官製春闘に陰りとささやかれた大手メーカーの春闘相場だが、中小を含めた業主別組合の交渉は今も続いている。自動車総連(全日本自動車産業労働組合総連合会)が公表した2017年の行方を追った。

自動車総連全体の賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)の平均は1233円。賃金改善などの回答を得たのは、727単組で全体の77.2%に留まるが、17年のベアは、大手を超える回答を中小で引き出していると言える。

規模別でみると、組合員3000人以上のいわゆる大企業33労組では、ベアは1,254円である。一方、299人までの中小420労組では1319円だ。3000人以上が前年1368円からダウン、299人以下では前年1165円からアップし、上乗せ回答を得ている。ただし、中小でこうした改善回答が得られたのは全体の71.2%。大企業すべてでベア回答が得られている状況とは異なる。

また、賃金改善の回答を得られた割合を「メーカー」「車体・部品」「販売」「輸送」「一般」の5つの業種に分けてみると、メーカーで100%の回答を得られた以外は、61.8~78.1%でしか決着していない。最も遅れているのは「輸送」だ。(一般とは自動車学校や研究機関など)

賃金改善平均でみると「販売」の1476円(前年1,210円)が群を抜く。トヨタ自動車などの「メーカー」労組は平均1223円(前年1,415円)だった。また「輸送」は936円と、最もベア幅が小さい。

「行き過ぎた賃金格差を是正使用する取組を始めて4年目。経営側の大手追従の意識が払拭されつつあり成果が出ている。また、販売のベアで結果が得られているのは、国内市場が伸びない中で、労使で付加価値を上げる努力を重ね、その利益の分配が出てきた。中小も同じだが、人手不足感の強さも後押ししている」(自動車総連)

自動車総連は、もう一つの格差である非正規労働者の取組みにも力を入れているが、賃金一時金の要求などをした577単組で、具体的な回答を得られたのは149単組にとどまっている。

また働き方改革では、36協定による残業の延長で、年間720時間以上で締結する121単組のうち39単組で720時間以下の見直しが実現した(3月末時点)。

5月24日時点で、労使交渉で妥結や妥結方向に向かっているのは、自動車総連に加盟する集計対象1101単組のうち942単組。解決率は85.6%。自動車総連は6月中にすべての単組での決着を目指している。

《中島みなみ》

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