ビッグサイト2020年問題「根本的な解決に至っていない」…日展協 石積会長

自動車 ビジネス 国内マーケット
東京ビッグサイトが展示会場として使用できなくなる問題について語る日本展示会協会の石積忠夫会長
東京ビッグサイトが展示会場として使用できなくなる問題について語る日本展示会協会の石積忠夫会長 全 6 枚 拡大写真

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い、さまざまな展示会の場として活用されている東京ビッグサイトが使用できなくなる。この問題に対し、日本展示会協会の石積忠夫会長は5月30日に開催された同協会の総会・懇親会で、東京都や関係省庁、民間企業に対し働きかけをおこないながらも、現在も「根本的な解決に至っていない」と話した。

東京ビッグサイトはオリンピックの開催期間、メディアセンターとして活用されることが決定している。2019年4月から段階的に展示会などで使用できるスペースを縮小し、2020年4月から10月の期間は全面的に使用できなくなる。これに対し東京都は、仮設展示場を設置する計画を明らかにしているが、その面積は東京ビッグサイトの約4分の1にとどまる。

石積会長はこの20か月で損失する中小企業の売上げは1兆円以上、さらに展示会支援企業は1000億円以上の売上げを失うことになると指摘。「展示会は中小企業や零細企業の命。この20か月の間に企業が疲弊してしまったら、日本にとって元も子もない」として、展示会の重要性を訴えかける。

石積会長は「これまでと同じ規模で開催できなければ、根本的な解決とは言えない。藁にもすがる思い」と、活動の現状について語りながら、築地・豊洲移転問題について「複雑な思い」だと言及。「様々な問題はあるが、新しい豊洲という所が完全に確保されている。全ての業者が、少なくとも同じ規模で移れる。正直、うらやましい。(豊洲と同じように)出展社が完全に移れる場所が確保されて初めて根本的な解決になると思っている」と胸中を語った。

「あと1年半。ぎりぎりの時間がある。残された時間を有効に使って変化を起こしたい。奇跡を起こしたい」と、この日会場につめかけた670人の来場者に呼びかけた。

ビッグサイトでは2019年、東京モーターショーの開催も予定されているが、現段階で会場の規模は縮小される見通し。主催する自動車工業会は「狭さを感じさせないモーターショーにする」としている。

日展協はことし1月末、東京都小池百合子知事にこの問題の解決を求める陳情書を提出したが、現在のところこれに対する返事はない。また知事との面会についても実現できていないという。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  2. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  3. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  4. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  5. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る