気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2017年6月5日付
●英またテロ7人死亡、ロンドン車暴走、刃物で襲撃、48人負傷、3容疑者射殺(読売・1面)
●小型機墜落4人死亡確認、富山・立山、「事故時は濃霧」証言(読売・1面)
●ベトナムの有料道運営に参入、中日本高速道路など(読売・4面)
●米の対日赤字28%減、4月自動車輸入が減少(毎日・2面)
●危険公道カート法の網、時速60キロ走行もシートベルト不要、国交省安全基準改正を検討(産経・23面)
●エアレース、室屋が連覇、千葉・世界大会(東京・1面)
●燃油分上乗せ8月から半額、ANAやJAL(日経・5面)
●AI,高齢者の運転支援、トヨタなど、車載カメラ活用、自動ブレーキ、通学路で警告(日経・11面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車が、電気自動車(EV)の開発などで提携していた米カリフォルニア州に本社があるテスラの株式をすべて売却し、資本提携を解消したことがわかったという。
6月3日付の朝日が朝刊で「トヨタ、テスラと提携解消」「自社でEV量産に本腰」と報じたほか、日経などの他紙がその日の夕刊や翌4日の朝刊など追随している。
それによると、トヨタは2010年5月、EVの高級スポーツカーを開発しているテスラに約45億円出資し、株式の3.15%を取得して、包括提携を結んだ。トヨタのSUV『RAV4』をベースにテスラの電池やモーターを搭載したEVを共同で開発した。
ところが、経営方針の違いなどから共同開発は進展せず、トヨタは2014年にテスラの株式の一部を売却し、出遅れたEVでの巻き返しを狙い、傘下の部品メーカーとの協力を得ながら、16年末には豊田章男社長が陣頭指揮する社内ベンチャーを新設、独自にEVの開発体制を強化している。
テスラといえば株価が急騰し、時価総額でフォードやゼネラルモーターズを抜いて米自動車業界の首位に立ったほど。トヨタがテスラ株をすべて売却したのは16年末とみられているが、それでも「売却益は約500億円に上った可能性もある」(読売)という。
思えば、テスラのイーロン・マスクCEOは、トヨタが世界に先がけて量産化に踏み切った燃料電池車について「電気自動車のほうが優れており、バカげている」と言い放つなど、エコカーに対する戦略の違いを鮮明にしていた。そのことだけを考えてみても“離縁”するのは時間の問題でもあったようだ。