自動運転実現のために、2017年度の新たな実証実験---国土交通省

自動車 テクノロジー ITS
名古屋市と近郊を結ぶガイドウェイバス。バスの実証実験はこの専用軌道区間で実施される
名古屋市と近郊を結ぶガイドウェイバス。バスの実証実験はこの専用軌道区間で実施される 全 2 枚 拡大写真

石井啓一国土交通相を本部長とする同省の自動運転戦略本部は8日、2017年度に実施する新たな自動運転の技術開発・普及促進策と実証実験・社会実装の施策を決定した。

【画像全2枚】

道路と車両の連携技術の取組みとして、
・高速道路の合流部等の情報提供による自動運転支援
・自動運転を視野に入れた除雪車の高度化
を、新規施策に掲げた。

自動運転による高速道路の合流は、車載カメラなどのセンサーが道路状況を読み取る車両単独技術が先行するが「事前に本線の交通状況が把握されていないと、急減速・急加速になる可能性がある。事前に本線の状況を自動運転側の車両に提供することができれば、より円滑に合流することができる」(藤井治芳局長)として、情報提供の仕組みを今年度から検討する。

除雪車は高齢化による熟練オペレーターの不足が年々深刻化する。除雪車の高度化は除雪車の自動運転を最終目標に、今冬に車線のはみだしやガードレールなどへの接触を防止するガイダンス機能の開発、2018年度に作業操作・自車位置確認・安全確認などを軽減する除雪システムを導入する。今年度は高速道路上で、18年度は一般道で試行する。

また、自動運転の実現にむけた実証実験・社会実装では、地域公共交通につながることを前提に
・ニュータウンにおける多様な自動運転サービス
・ガイドウェイバスを活用した基幹バスにおける自動運転サービス
の2つの施策を予定する。

高度成長期のニュータウンは、高低差の大きな丘陵地に作られ、急な坂道や長い階段などが高齢な住民の移動を妨げている。自宅から拠点施設までを往復する交通手段として歩行者と車両が混在する道路を通行する自動運転タクシー(デマンド交通)の安全性などを今年度から検討する。その先にはニュータウン全域で拠点施設を結ぶ自動運転による巡回バスをバス専用レーンで導入実験も視野に入れる。

基幹バスの自動運転は、名古屋市と近郊を結ぶ名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)の専用軌道部分6.8kmを試行区間として、自動加減速の実験を予定し、今年度その検討会を立ち上げる。ガイドウェイバスは、バスだけが高架橋の専用軌道を走行するため営業路線での実験に踏み切りやすいことから選ばれた。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産、新型『エルグランド』世界初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  2. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  3. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  4. テスラ専用「破壊不可能」ホイール、18インチサイズを追加…米アンプラグド・パフォーマンス
  5. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る