オンキヨーGRANBEAT DP-CMX1【土方久明のハイレゾ最前線】

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土方 久明のcarハイレゾ最前線 vol.3【オンキヨー GRANBEAT DP-CMX1】
土方 久明のcarハイレゾ最前線 vol.3【オンキヨー GRANBEAT DP-CMX1】 全 7 枚 拡大写真

車の中で音楽を楽しみたいなら、今や身近な存在になったスマホやポータブルプレーヤーを利用するのがよい。さらにハイレゾ再生に対応するモデルを使えば、とても良い音で音楽を楽しむことが可能だ。

本コーナーでは、車好きなレスポンス読者に向けた、ハイレゾ対応デジタルミュージックプレーヤー(DAP)やスマートフォンの注目機を登場させる。

今回は「最強のハイレゾスマホ」との呼び声高い、オンキヨー GRANBEAT(グランビート)「DP-CMX1」を紹介しよう。

本機はオンキヨーが「スマートフォン史上最高の音質」を目指した、ハイレゾ対応SIMフリースマートフォンだ。量販店に行くとSONYのXperiaやASUS のZenFoneなどと並びスマホコーナーに置かれている。…と同時に、オーディオコーナーでもその姿を見かける。それもそのはず、DP-CMX1は、スマートフォンにハイレゾ再生機能をつけたというより、DAPにSIMカードスロットを追加した、あくまでも音質に重きを持つモデルなのである。

エッジが立っているデザインやブラックのボディカラーは、以前(http://xxx)ご紹介したハイレゾDAP「DP-X1A」同様で、アルミ削り出しの筐体は高い剛性を持つ。ディスプレイにはタッチ対応の5インチIPSパネルを採用し、画面解像度はフルHDの1920 x 1080ピクセルを誇る。

OSはAndroid Ver.6 (Marshmallow)、CPUはクアルコム製プロセッサー「MSM8956」で、RAMは3GBを搭載するなどスペックは高めだ。内臓ストレージは128 GBで、その他にmicroSDカードスロットを1基搭載し、SDカードと合わせれば、最大256GBまで容量を拡張できる。バッテリーも3,000 mAhと大容量だ。

さらに本機は流行りの、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応する。2つのSIMカードスロット(Nano SIM)を持ち、スロット1が4G LTE/3G、スロット2が3G/2Gに対応する。これにより音声SIMとデータSIMの2枚のSIMカードを使い分ける柔軟な運用を可能としている。

外形寸法は72W×142.3H×11.9Dmm、重量は205 グラムで、DP-X1A と比べると、見た目上は少し背が高くなっている。DACチップにはESS ES9018K2Mを左右独立で2基搭載し、DP-X1A 同様の3.5 mm 3極ヘッドホン出力と、スマホでは世界唯一となる2.5 mm 4極バランスヘッドホン出力を備える。これによりバランス駆動のヘッドホンに対応するほか、Android基板とオーディオ専用基板を完全にセパレートするなど、数多くの高音質化技術を新たに搭載している。一言で話せば、中身は完全にDAPなのだ。

再生対応フォーマットは、WAV、FLAC、MP3、DSDや、話題のMQAファイルも再生可能だ。DSDは最大11.2MHz、PCMは最大384kHz/24ビットのハイレゾフォーマットに対応する。(イヤホン出力端子からの再生は、DSDファイルはPCMに変換、PCMの 32bitファイルは、24bitに変換されてから再生される)また出力端子も以下のようにDP-X1A同様である。

・2.5 mm 4極バランスヘッドホン出力
・3.5 mm 3極ヘッドホン出力(LineOutモード対応)
・Micro USB-B / OTGデジタル出力(充電・データ転送兼用)

無線LAN(Wi-Fi)と、Bluetooth にも対応するが、DP-X1A では対応しなかった、最大48kHz/24bitのクオリティーを担保するaptX HDをサポートするところは目新しい。さらに「SHARP/SLOW/SHORT」の3種類のデジタルフィルターやアップサンプリング機能も有するなど、音楽再生に特化した仕様となっているのである。

DP-CMX1をカー用途で使用する時は、手軽さを求めるならBluetooth接続を行えば良いし、ハイレゾファイルによる高音質再生を楽しみたい時は、ヘッドユニットのAUX端子を利用してライン接続を行えば良い。(もちろんヘッドユニットがそれぞれに対応していなくてはいけない)また本機はMicro USB-B/OTGデジタル出力も可能なので、DSPユニットを使用するようなハイエンドカーオーディオユーザーは、DP-CMX1をUSBケーブルで接続して、デジタル伝送を行っても良いだろう。

試聴はSONYのスタジオモニターヘッドホン「MDR-Z1000」を3.5mmジャックに接続して、女性ジャズボーカルのハイレゾ音源、ダイアナ・クラール『ターン・アップ・ザ・クワイエット』 (192kHz/24bit FLAC)を聞いた。ボーカルは距離感が適切でリアルさと密度感を両立している。空間再現能力も高い。この時点で、もはやスマホの再生音の枠を超えていることを認識する。続いて映画音楽をオーケストラで再現した、最近お気に入りのアルバム「ハンス・ジマー『ザ・クラシックス』(96kHz/24bit FLAC)」を聞いたのだが、スケール感が雄大で揺るぎのない音で、録音現場の独特の空気感も十分感じられた。

DP-CMX1は、DAPにSIM機能をもたせた究極のハイレゾ対応スマホと言って良い。ハイレゾダウンロードサイト「e-onkyo」からの直接ダウンロード機能や、パソコンから楽曲を簡単に転送・編集できる、独自ソフト「X-DAP Link」(クロスダップリンク)も利用できるなど、ハイレゾを楽しむための周辺環境が充実していることも魅力だ。

土方 久明のcarハイレゾ最前線 vol.3【オンキヨー GRANBEAT DP-CMX1】

《土方 久明》

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