プラスチック&無機材料の世界市場、環境対応車用に需要拡大…富士経済予測

自動車 ビジネス 海外マーケット
自動車一台あたりのプラスチック&無機材料主要5品目の使用量(2016年)
自動車一台あたりのプラスチック&無機材料主要5品目の使用量(2016年) 全 2 枚 拡大写真

富士経済は、自動車用プラスチックや無機材料の世界市場を調査し、その結果を報告書「2017年 EV・HEV用プラスチック&無機材料の市場展望」にまとめた。

報告書によると、2016年の自動車一台あたりのプラスチック&無機材料主要5品目の使用量は、EVではリチウムイオン二次電池(Lib)の正極バインダなどに採用されるフッ素樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などスーパーエンプラが多い。PHV・HVでは、汎用樹脂やエンプラ、スーパーエンプラ、熱硬化樹脂などの使用量が増加。特にPPS、PA6(ポリアミド6)などの使用量が多くなっている。

素材別では、PP(ポリプロピレン)の需要が自動車生産台数に連動して増加しており、近年、軽量化のためさらに採用が拡大している。しかし樹脂部品の薄型化が進められており、日本や東南アジア、欧州などでは小型自動車が好まれることから、自動車の生産台数よりも高い伸びで推移するものの、差は小幅にとどまるとみられる。2025年の市場規模はEV用が2016年比3.9倍増の8万7600トン、PHV・HV用は同4.1倍の59万7300トンと予測する。

PA9T(スーパーエンプラ)は低吸水性、耐薬品性、摺動性、耐熱性、ガソリンバリア性などに優れており、エンジンルーム、電気・電子部品、燃料系部品で使用割合が高い。特に、車載電装品の高度化・複雑化に伴い、電気・電子部品での採用が増加するとみられる。EV化により内燃機関やその周辺部の部品消滅によるマイナス要因はあるものの、今後は電気・電子部品のほか大型射出成形部品で採用が進むため、使用量は増加するとみられる。2025年の市場規模はEV用が同4.5倍増の90トン、PHV・HV用は同7.9倍の1430トンと予測する。

PPS(スーパーエンプラ)は、EV、PHV・HVで1台あたりの使用量が増加。PHV・HVではモーター、インバーター、コンデンサーなど耐熱性が求められる各部品に使用されている。世界的に環境対応車への切り替えが進められていることから、伸長が期待される。2025年の市場規模はEV用が同4.3倍増の2150トン、PHV・HV用は同4.2倍の2万2000トンと予測する。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  2. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  3. フォード『ブロンコ』が60周年、初代をオマージュした記念パッケージが登場
  4. ホンダ『シビック』の顔が変わる! 英国版のグリルとバンパーが新デザインに
  5. 日本とは違う『カローラセダン』に「GRスポーツ」が登場、ステアリングもGRがチューニング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る