新業態の「オートバックスガレージ府中」オープン…“車に詳しくない人”も気軽に

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オートバックスガレージ府中
オートバックスガレージ府中 全 58 枚 拡大写真

6月23日、オートバックスセブンは東京都府中市に「オートバックスガレージ府中」をオープンした。ライフスタイル提案売り場の設置を強化し、従来のオートバックスとディスプレイ方法や商品の在庫を大幅に差別化。新業態の1号店として展開していく。

同店舗は従来のオートバックス府中店を全面改装した新店舗。東八道路沿いに位置し、2階建ての店舗は1階が60坪、2階が210坪の広さ。ピットは12レーンを稼働する。10km圏内にスーパーオートバックス三鷹があることもあり、新たな業態を取り入れるには適した立地だといえる。

オートバックスセブン業態開発部長の河添貴之氏によれば、オートバックスガレージ府中はこれまで40数年間大きな変更のなかった同社店舗の概念を一新し、ゼロベースで作り上げたという。「従来は、こちらからおすすめする商品を全てのお客様に向けて店頭に並べ、選んでもらっていました。しかしニーズが多様化するこのご時世、本当に見合った商品は何なのかを考えながら販売していく必要があると考え、このような店舗のオープンに至りました。社内でも色々な声がありましたが、これからがスタートということで人とお金と商品を投資しました。今後、お客様の声をききながらさらにブラッシュアップしていきます」。

全体のターゲットはファミリー層とシニア層に定めているが、特徴的なのは1階部分のコンセプトだ。既存の店舗では、構造上1階の商品群が売上の6~7割を占めている。しかし、今回は1階部分にほとんど商品を置いていない。ターゲットを“車に詳しくない人”に絞り、「まずカウンターに来てもらってニーズをきき、対応する」(河添氏)空間としたのだ。

ピット入庫を希望する来店者の車については、車検証を提示してもらい、メンテナンスチェックシートに情報が記載される。シートには、エンジンオイル、オイルフィルター、ワイパーゴム、バッテリー、タイヤ、エアコンフィルターといった、1年以内に交換すべきものや適合が取れる製品の項目がある。河添氏は「これらの情報を元にすることで、オイル交換に来た際、次回のタイヤ交換時期に合わせておすすめ商品をご紹介し、ご自宅で検討してもらうことも可能です。今はまだ仕組みが出来上がっていませんが、将来的には、SNSなどで交換時期をお知らせし、そのまま予約フォームで入庫予約ができる…というシステムも作りたいと思っています。例えば、ご家庭で相談していただいて、旦那さんが商品を決定し、奥さんが入庫にいらっしゃる。交換品は事前にきまっているので、奥さんに負担をかけることもありません。そうして主婦の方にも来店してもらう機会を増やしていきたい」と話す。

交換商品はスタッフが携帯するタブレット端末で管理・選択する。型式指定番号、適合情報などに紐付いたシステムで、3~4種類の商品が推奨されるよう設定されているという。例えばタイヤなら、諸元情報に基づいたタイヤサイズからインチアップしたり、追加情報(長距離を走るか、車内で映画や音楽を楽しみたいか等)を選択することによってスムーズに絞り込みをかけることも可能だ。

商品を持ち帰る場合はチェックシート記載の必要はないが、“車に詳しくない人”をターゲットにしているので、推奨する商品も絞り込んでいる。そのため、従来使っている商品が欲しいが置いていない、という可能性もある。「そういったお客様には近隣のオートバックスの在庫を調べ、ご案内します。かなり実験的な店舗だとは思いますが、ここが(オートバックスに来店する)入り口となってもらえればいい。1年くらい様子を見て、フィードバックを得たいですね」(河添氏)とのことだ。

2階は、ファミリー層(特に40代前後の主婦層)とシニア層をターゲットとした売り場だ。多様なカー用品に加え、新プライベートブランド『GORDON MILLER(ゴードン ミラー)』『JKM(ジェイ ケー エム)』シリーズ、子供向けの商品やアウトドアグッズなども並ぶ。ガレージを保有する客層が多いという地域データから、工具や整備用品なども充実させた。売り場は余裕のある空間で、ジャンルごとに凝ったディスプレイや分かりやすい案内のポップなどが用意されている。新商品比率は現時点で2割ほどだが、順次PB製品も開発しながら、6割程度に増やしていく予定。

“車に詳しくない人”に来てもらうためには、まず店舗の存在を知ってもらうことが重要だ。河添氏は「“こどもバックス”というファミリー向けイベントの開催を予定しています。写真入りのオリジナル免許証や缶バッチを作ることができるので、親子で楽しんでもらいたい。そのついでに2階も見て、オートバックスってこういうお店なんだね、と知っていただければ嬉しい」と話した。

《吉田 瑶子》

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