【VW ゴルフ 試乗】たとえクルマ好きの面々が反発しようとも…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
VW ゴルフ TSIハイライン 改良新型
VW ゴルフ TSIハイライン 改良新型 全 13 枚 拡大写真

先進安全技術とデジタル対応。クルマの出来そのものに加え、このふたつは、クルマを選ぶ基準には欠かせないポイントになってきた。

その昔、MTがATの波に飲み込まれていったように、「安全技術なんて運転がつまらなくなる。人間の能力が落ちるだけだ」とクルマ好きの面々が反発しようとも、クルマは着々と人を守るべく安全への道を進んでいるわけだ。

速度計などのメータがグラフィック表示になり、画面で作られた速度計の針が動いていく。また、カーナビ画面はジェスチャー表示を採用し、手をふると画面が切り替わるなど。使いやすいか慣れるのかは、ドライバーの対応力によって左右する。アナログ派な私などは、使いこなすまでの敷居の高さに息がつまりそうだが、でも、面白いことに、こうしたデジタル系が進化するだけで、急に『ゴルフ』が上級になった気になるから不思議だ。

外観も、ヘッドライトとリアランプあたりに手を加えられ、いわゆる「お化粧」を変えている。中身はこれまでと一切、変更がないというけれど、目元がシャープになっただけで、走りまできりっとした気分になるから、人間の(私の?)洗脳されっぷりは単純である。

ゴルフの魅力は、おそろしくいいボディ剛性と、いち早く小排気量化に取り組み完成度の高いパワートレインである。高速ではしなやかに安定し、低速で走らせてもこもり音もなく燃費よく走る。

これまでは、走りはいいのに洒落っ気がないのがつまらなくも感じたものだが、新型は安全性を高めつつ、いま流行のデジタル系もソツなく対応している。急に色気を増してきたゴルフである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る