【レクサス LS 新型】レベル2の技術搭載でも自動運転車を言わない理由

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レクサス『LS』と、チーフエンジニアの旭利夫氏(左)とレクサスインターナショナル プレジデントの澤良宏常務役員
レクサス『LS』と、チーフエンジニアの旭利夫氏(左)とレクサスインターナショナル プレジデントの澤良宏常務役員 全 5 枚 拡大写真

トヨタ自動車は6月26日、東京国際フォーラムで新型レクサス『LS』を日本初公開した。今秋に発売予定だが、トヨタがこのクルマで最も強調したのは安全性だ。世界で最も安全なクルマを目指し、新たな技術にチャレンジし、先進安全技術に磨きをかけたという。

従来の「レクサス セーフティ システム+」でパッケージ化したプリクラッシュセーフティやレーンディパーチャーアラート、レーダークルーズコントロールといった機能の性能を大幅に強化した。例えば、ミリ波レーダーとステレオカメラを用いて前方の車両や歩行者を検出し、自動ブレーキで衝突回避支援などを図るプリクラッシュセーフティは、新たに自転車の検知や夜間の歩行者検知を可能としたほか、自動ブレーキの減速機能も向上させた。

また、レーンディパーチャーアラートでは、従来の車線検知に加え、アスファルトと草、土、縁石などの境界を検知し、車線が引かれていない道路を走行している時でも、路外逸脱の可能性をドライバーに警告するとともに、ステアリング操作の一部を支援する。レーダークルーズコントロールでは、新開発のミリ波レーダーによる広角の検知角度と、カメラによる広い前方認識範囲によって、発進・追従・離脱加速の際によりスムーズな加速と滑らかな減速を実現できるようにした。

「新型LSでは世界最高の安全性能を目指すとともに、大幅な運転負荷の低減にも取り組んだ。高度運転支援技術の『レクサス CoDrive』はレーダーグルーズコントロールとレーントレーシングアシストを組み合わせ、さらにレーンチェンジアシスト機能により高速道路や自動車専用道において長時間の運転や渋滞時の運転などにも疲れにくい、常に安心して運転できる運転支援を実現した」と先進技術開発カンパニープレジデントの伊勢清貴専務役員は説明する。

そのほかにも、自動ブレーキだけでは衝突を避けることが難しい場合での衝突事故防止に寄与する世界初のアクティブ操舵回避支援や、交差点での出会い頭事故の予防に寄与するフロントクロストラフィックアラートを追加するなど、今ある先進技術をすべて盛り込んだそうだ。トヨタはそれらをまとめて、先進の予防安全パッケージ「レクサス セーフティ システム+A」と名付けた。

新型LSは自動運転の「レベル2」に相当する技術が搭載されていると言っていいだろう。そのため、他社なら“自動運転車”と呼んでいるところだが、トヨタは違った。「私たちはこのLSをあえて自動運転車ではなく、将来の自動運転につながる高度運転支援技術を搭載したクルマと定義した」と伊勢専務役員は強調し、こう付け加えた。

「近年、自動運転に関心が高まっているが、自動運転車の定義はメーカー間で幅がある状態だ。自動運転はドライバーが何もしなくていい、という誤解や過信を招かないように、注意深く扱う必要があると考えている」

ドライバーが運転したい時には運転を楽しめ、ドライバーが運転しない時、できない時はクルマに安心して任せることができる。トヨタはそんなクルマを目指し、2020年頃に自動専用道路向けの自動運転車を商品化する予定だ。これはETCからETCまでの間で、合流、分岐、追い越しを自動で行うそうだ。

《山田清志》

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