日立化成は、同社が開発した樹脂射出発泡成形技術が、SUBARU(スバル)新型『XV』のフロント・リアフェンダー、サイドガーニッシュに採用されたことを発表した。
近年、燃費向上の方法の一つとして車両の軽量化が求められており、軽さと剛性を備える樹脂部品が金属の代替品として採用されてきた。しかし、欧米等の環境規制による燃費向上の要求値は年々高くなっており、樹脂部品のさらなる軽量化が求められている。
軽量化の手段には樹脂部品の薄肉化があるが、体積が小さくなるため剛性が損なわれるデメリットがある。このため、薄肉化した樹脂部品の内部をスポンジ状に発泡させることで体積を大きくし、剛性を保つ樹脂射出発泡成形技術が開発され、内装部品に採用されている。しかし同技術では、光沢や色、耐候性など、自動車メーカーが要求するの外観品質を保つことができなかった。
そこで日立化成は、既存の樹脂射出発泡成形技術に長年培ってきた独自の材料設計技術、金型設計技術、成形技術を加えることで、外装部品に要求される剛性および外観品質維持のニーズを満たした同外装発泡技術を世界で初めて開発。日産が昨夏発売した新型『セレナ』のサイドシルプロテクターとして採用され、従来と同等の剛性を保ちながら、外観品質の維持と約30%の軽量化を実現した。そして今回、スバル新型XVのフロント・リアフェンダー、サイドガーニッシュへの採用も決定。スバル従来車比で約33%軽量化を達成した。
日立化成は樹脂バックドアモジュール、樹脂トランクリッドモジュール、バンパー等の外装部品、インストルメントパネル、コンソールボックス等の内装部品、エンジン搭載バランスシャフト用樹脂ギヤ、HEV、EV 用樹脂インバータハウジング等の機能部品等を幅広く生産しており、今後は、新たに開発した外装発泡技術を加え、グローバルに自動車用部品の売上拡大を図る。