【SUPER GT 第4戦】ホンダ勢が予選トップ3をかためる…東北SUGO戦のポールはARTA NSXの野尻智紀&小林崇志

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
SUGO戦のGT500クラスポールポジションを獲得した#8 NSX。
SUGO戦のGT500クラスポールポジションを獲得した#8 NSX。 全 16 枚 拡大写真

22日、SUPER GT第4戦の公式予選が宮城県のスポーツランドSUGOで実施され、GT500クラスはホンダNSX-GT勢が1-2-3をかためた。ポールポジションはARTAの野尻智紀&小林崇志。GT300クラスではVivaC 86 MCの松井孝允&山下健太が2戦連続のポール獲得を果たしている。

約2カ月の実戦間隔を挟んでのSUGO戦だが、ここからは中1週、中2週の過密日程で一気に3ラウンドをこなしていくことになる。タイトルの行方も左右する“灼熱の3連戦”突入だ。

GT500クラス(参戦15台)はレクサスLC500勢が開幕3連勝中。前戦もそうだったが、ポイント上位のマシンは既にウエイトハンデが50kgを超えてきており、その一部を燃料流量リストリクターの段階的調整に振りかえる措置も施されている。厳しい戦いが続いている日産GT-R勢とホンダNSX勢は、そのあたりにもつけいるかたちで反撃の狼煙をあげたい。

この日は天気予報が微妙で、実際に午後2時10分からのクラス別2段階ノックアウト予選が近づく頃から雨のパラつきも見られたりしたのだが、タイム水準から見る限りにおいて予選は純ドライコンディションでの推移となった。

GT500クラスではホンダNSX-GT勢が気を吐いた。5台のNSXのうち4台が上位8台進出のQ2へと駒を進め、さらにはブリヂストン(BS)タイヤ装着の3台が1-2-3を占める。そのなかでポール獲得を決めたのは#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&小林崇志/BS)だった。小林がQ1をトップで通過し、Q2では野尻がコンマ5秒という、短いSUGOのコースではブッチギリといっていい差をつける1分10秒915をマークした。

この中間にあった2回の公式テストでの調子が良かったと両ドライバーが異口同音に話す#8 NSX。それだけに、小林が「今回は絶対にポールを獲る、という気持ちで入ってきました。まず、第一段階としてそれが達成できて良かったです」と語れば、野尻も「(チームの好調と皆の努力を)最終的にかたちにするのはドライバーですから、ポールが獲れてホッとしました。今は早く(自分の気持ちのスイッチを)オフにしたいですね」との心情を吐露した。

NSX勢は前戦オートポリスから15kgの減量措置を受けるなどしたことも含めて戦闘力は確実に上昇中。そしてポール獲得ということに関していえば実はこれが今季3回目(ARTAは2回目)なのだが、これまで課題は主に決勝にあったといえる。ただ、野尻と小林は決勝に向けても好仕上がりである旨を語っており、いよいよ真価発揮となるか、今後のシーズン展開を占う意味でも明日の決勝が大いに注目される。

「優勝したいです。誰よりも粘り強く、誰よりも速く走った人が優勝できると思うので、明日はちょっと、いや、相当がんばろうと思います」(野尻)

「一度も先頭を譲らずに勝ちたいです。ロングランのペースもいいと思いますし、雨になったとしても鈴鹿のテストで雨の時の調子は良かったですからね。しっかり、ミスなく走れば勝てると思います」(小林)

ARTAコンビはホンダに2年ぶりの勝利をもたらすことができるか。決勝の走りにも期待が高まる。

予選2~3位には前戦で表彰台に上がっている2台のNSXがつけた。#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&伊沢拓也/BS)が予選2位、#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)が予選3位。また、ヨコハマ(YH)を履く#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀&中嶋大祐/YH)も5位と、ホンダ勢が上位1-2-3-5を形成する予選結果となっている。ホンダ勢の同門対決も楽しみだ。

予選4位は#19 WedsSport ADVAN LC500(関口雄飛&国本雄資/YH)で、6位が#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹&J-P.デ.オリベイラ/YH)。ヨコハマタイヤ勢が異なる3車種で予選4~6位に並んだ。開幕3連勝中のBS装着レクサス勢では、比較的ハンデの軽い#1 DENSO KOBELCO SARD LC500(H.コバライネン&平手晃平/BS)が最上位で予選7位。

GT300クラスは今回、いつもより少ない28台のエントリーによる戦いになっている。SUGOのコースとピットエリアが広くないこと等の関係から、前年実績等で決まるシード順位の低いチームには序盤2戦の成績でSUGO戦出場権を争うという背景があり、残念ながら今回は不参戦となっているチームがあるためだ。

ポールポジションを獲得したのは昨季王者陣営の#25 VivaC 86 MC(松井孝允&山下健太/YH)。前戦に続いてのポール獲得、目下のポイントリーダーでもある彼らはこのまま2戦連続ポール・トゥ・ウインを目指す。予選2位もマザーシャシー(MC)使用車で、#18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴&川端伸太朗/YH)が続いた。予選3位はFIA-GT3規定車最上位となる#60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章&吉本大樹/YH)。

GT300クラスの予選4~6位は以下の通り。
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)
5位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&高星明誠/YH)
6位 #31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&久保凜太郎/BS)

決勝300kmレースは明日(23日)の14時30分にパレードラップスタート予定。「魔物が棲む」ともいわれるSUGOでのレースは乱戦となることが少なくない。さらには明日も天候が危ぶまれる面があるため、今年の決勝81周は例年以上に劇的な展開となる可能性も高そうだ。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る