デザイン学生たちがスケッチでアジアの頂点を目指す…東京カーデザイングランプリ

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東京カーデザイングランプリ2017
東京カーデザイングランプリ2017 全 14 枚 拡大写真

カーデザイナーやプロダクトデザイナーを目指す学生たちが、即興でアイデアスケッチを描いて競うイベント「東京カーデザイングランプリ2017」が7月22日、渋谷のFabCafe Tokyoで開催された。

カーデザイングランプリはKADA(韓国オートモーティブデザイン協会)が主催し、今年からスタートしたイベント。今回の東京大会はソウル(韓国)、上海(中国)に次いでの開催となった。会場には全国からおよそ30名の学生が参集し、1位は佐藤太亮さん(武蔵野美術大学4年)が獲得した。2位は遠藤直哉さん(武蔵野美術大学4年)、3位は竹内佑喜人さん(静岡文化芸術大学2年)。

この上位3名は、各地の大会で上位入賞したメンバーを集めて8月にソウルで開催予定の、いわばアジア頂上決戦となる「ソウル・カーデザイングランプリ」に招待される。なお今回の参加者の所属校は武蔵野美術大学、多摩美術大学、サレジオ工業高等専門学校、首都大学東京、金沢美術工芸大学、静岡文化芸術大学、大阪芸術大学、HAL東京の8校。

参加者は2つのテーマに沿って制限時間内にアイデアスケッチを描き、その合計得点で順位が競われた。最初のテーマ「2025年のスポーツカー」(制限時間40分)では勢いよくスケッチを描き進める姿が目立ったものの、次の「2050年の自動運転車」(同60分)では、しばし沈思黙考する様子があちこちで見られた。

KADA会長のリチャード・チャン氏は「スケッチの目的は、かっこいい絵を描くことではありません。アイデアを表現することです」とアドバイス。その通りに「自動運転時代のトランスポーテーションはどうあるべきか」ということについて悩んでいたようだ。

1位に輝いた佐藤さんのスケッチは、どちらのテーマでも審査で最多得票となった。佐藤さんはアウトドア用品のようなファブリック製ボディを持ち、ジッパーを開けて乗り込むスポーツカー、そしてビッグデータを解析して人の集まる場所に移動し、休息スペースにもなる自動運転車を提案。アイデアのユニークさだけでなく、それが的確に表現され、見栄えのよいスケッチにまとめられている点が高く評価された。

審査員もわずかな時間で提案の価値を見抜くことが求められたため、必然的にメッセージの明快なスケッチが評価された格好。今回はチャン会長、MCを担当したパク・ジュンサム氏(クリエイティブボックス)、バンサック・リム氏(トランスラボ上海)など他の大会でも審査員を務めるメンバーのほか、日本の自動車メーカーやベンチャー企業、デザイン会社などの国籍豊かな現役デザイナーおよそ20名、そして筆者が審査員を担当した。

なお4~6位の学生には賞金こそなかったものの、ゲストとして訪れた児玉英雄氏のスケッチを集めた書籍の贈呈が急遽決定。4位は山北拓史さん(多摩美術大学4年)、5位は二木優さん(静岡文化芸術大学2年)、6位は春江紗綾さん(サレジオ工業高等専門学校4年)。

日本では初開催ということで運営側も手探りの部分が多かったものの、学生たちは現役デザイナーのトークセッションや他校生との交流を存分に楽しんでいたようだ。何人もの学生が、「現役デザイナーと直接交流できたことが、すごく刺激的だった」と語っている。

《古庄 速人》

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