【BMW S1000RR 試乗】コントロール性の高さと安心感が、もっと攻めようという気にさせる…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
BMW S1000RR
BMW S1000RR 全 21 枚 拡大写真

ヨーロッパの新排ガス規制ユーロ4に適合させたエキゾーストシステムによって、アンダーカウル後端をカットし、車体色も新しくなった2017年式『S1000RR』に、富士スピードウェイで乗った。

リッター・スーパースポーツというとスパルタンな乗り味で、手強くて扱いきれないという印象を抱きがちだが、S1000RR は不安なくアクセルを開けられ、車体を寝かせていけるから、いつの間にか走りに夢中になってしまう。

水冷DOHC4バルブ並列4気筒のエンジンパワーは199PSと強烈で、最高出力は1万3500回転で発揮。1万回転を超えてからのパワー感はとてつもない。

しかしパワーデリバリーはスムーズで、「レイン」「スポーツ」「レース」と3つある走行モードをもっともピックアップの鋭いレースに設定してもギクシャクせずにどんどんアクセルを開けていける。

コーナーでの身のこなしも軽快で、1速や2速といった低いギヤを使ってもスムーズに旋回してくれるから、タイトなコーナーが続く公道のワインディングも気持ちよく走ってくれるはずだ。

車体はスピードレンジが上がるほどに安定する印象で、サーキットを走りながらも乗り心地の良さに感心する。これがまた安心感を生み、もっと攻めようとライダーをその気にさせる。

これはまさに“大人のスーパースポーツ”で、サーキットでのスポーツライディングがいつも以上に楽しく、自分の走りに余裕を感じる。

これは高い安全性や操作性を、速さを追求したスーパースポーツであっても必要だとBMWが考えているからで、その哲学が結果的に速さに繋がっているのだ。BMWの流儀が、サーキットでも“強み”になっている。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のバイクカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在、多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る