【スバル レヴォーグ 試乗】旧世代プラットフォームで上手く期待に応えた…井元康一郎

試乗記 国産車
スバル レヴォーグ 2017年モデル
スバル レヴォーグ 2017年モデル 全 8 枚 拡大写真

富士重工業あらためSUBARUのCセグメントステーションワゴン『レヴォーグ』改良版の生産試作車を伊豆・修善寺にあるクローズドコース「日本サイクルスポーツセンター」でテストドライブする機会があったので、ファーストインプレッションをお届けする。

【画像全8枚】

2014年に登場したレヴォーグが改良されるのはこれが3度目で、新型は通称「D型」と言われる4番目のモデル。サスペンションのストローク増大、スタビライザーの結合形式変更などシャシーの構造にまで手を入れた大規模改良で、6年ないし7年と思われるモデルライフ後半を乗り切るためのリフレッシュと言える。

試乗したのは新型の2リットルと1.6リットル「GT-Sアイサイト」、および旧型の1.6リットル「GT-Sアイサイト」。全コースワインディングロードのコースを2周というのが試乗メニューであったので、1周は道幅いっぱいを使い、もう1周は左側通行の山岳路をドライブするようにオンザレールで走ってみた。

新型の最も印象的だった部分は、サスペンションが明らかに柔らかくなり、ドライブ操作への寛容性が上がったこと。それが最も顕著に体感できたのはスピードの出やすい緩いカーブでのドライブフィールで、しっかりロールするためコーナリング中にステアリングを切り込んだり戻したりと修正したときの車体姿勢の変化はつかみやすくなった。

パワートレインは1.6リットルのCVTにもステップ制御が取り入れられていたのが大きな変更点。Dレンジでスロットル開度が大きめのとき、一定回転ではなく有段ATが変速するような感じでシフトアップしていくので、エンジン回転と車速の上昇がリンクするように感じられて気持ちよかった。

2リットルエンジンのほうは最高出力が300psもあるので、速さはかっ飛び級であった。が、制限速度の低い日本では170psの1.6リットルでも十分すぎるであろう。両者にドライビングプレジャーの差はほとんどないように感じられた。

2リットルと1.6リットルの新型に乗るあいだに旧型もドライブした。サイクルスポーツセンターの路面状況は1箇所、ギャップに近いきついアンジュレーション(路面のうねり)があるのだが、それ以外の部分はきわめて良好。こういうコースでは旧型のパフォーマンスも悪くなく、切れ味の良さの一点においては新型に優越していた。それをあえて丸くしたのは、レヴォーグをシャシーパフォーマンス一辺倒ではなく、操りやすさや悪路での乗り心地などにも気を配ることで、カーライフトータルでの満足感をより高める仕立てに変えるという意図によるものと推察された。実際、開発陣からもそういうコメントを得ることができた。

SUBARUは昨年秋、全面新設計のシャシーを持つCセグメントコンパクト『インプレッサ』を投入した。通常、初モノのシャシーを投入したモデルは味付けに苦しむものだが、インプレッサは欠点もあるものの、ことロングツーリングにおいては素晴らしい走り味に仕上がっていた。が、自動車メーカーにとってモデルチェンジとは難しいもので、1つを良くすると他のモデルが色あせてしまうということがままある。

レヴォーグもそうなりかけていたのだが、旧世代プラットホームを上手く改良することで、新世代品と同等とまではいかずとも、顧客がSUBARU車に抱く期待のボーダーラインは越えてきたという感があった。

購入する場合、ロングツーリングやリゾートエクスプレス用途には1.6リットルで十分に事足りる。ただし、ハンドリングのリニアリティ、ファントゥドライブ性では国産では唯一ライバルになり得るホンダ『ジェイドRS』に負けているので、積極果敢な走りの楽しさも重視する顧客は今回未試乗の「STIスポーツ」を検討してみるといいだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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